
「無機塗料なら20年以上長持ちします」「せっかく塗装するなら一番耐久性の高い無機塗料がおすすめです」と、外壁塗装の見積もりで提案されたことはありませんか?
無機塗料は、外壁塗装に使われる塗料のなかでも高い耐候性が期待できる高性能な塗料です。一方で、価格の高さや下地との相性、施工方法、建物全体のメンテナンス計画まで考えずに選んでしまうと、「高いお金を払ったのに思っていたほどメリットを感じられなかった」と後悔する可能性もあります。
この記事では、累計6,000件以上の施工実績を誇る外壁・屋根塗装専門店「スターペイント」が、無機塗料の欠点だけでなく、実際にどのような住宅・選び方で失敗しやすいのか、そして後悔しないためには何を確認すべきなのかを現場目線で詳しく解説します。
無機塗料とは?高耐久でも「すべての家に最適」とはいえない
無機塗料は耐候性の高さから、外壁塗装をできるだけ長持ちさせたい方に選ばれています。しかし、「無機」という名前だけで性能を判断するのはおすすめできません。まずは無機塗料がどのような塗料なのか、特徴と欠点を正しく整理しておきましょう。
無機塗料は「無機物だけでできた塗料」ではない
無機塗料という名前から、「ガラスや石のような無機物だけで作られた塗料」を想像する方もいらっしゃいますが、住宅塗装で使われる無機塗料は、一般的に無機成分と有機樹脂などを組み合わせて作られています。
日本ペイントも無機系塗料について、無機成分を主体とする合成樹脂を使用した塗料の総称として説明しています。
出典:日本ペイント株式会社「無機系塗料/無機塗料」
無機成分は紫外線によって劣化しにくい性質を持つため、塗膜の耐候性を高めるうえで大きなメリットがあります。一方、塗料には外壁への密着性や施工性、建物の動きに対する柔軟性なども必要です。そのため、現在の住宅用無機塗料では、有機材料の特性も生かしたハイブリッド型の商品が数多く販売されています。
ここで注意したいのが、「無機塗料」というカテゴリーだけで性能を比較しないことです。
同じ無機系として販売されている商品でも、メーカーや製品によって配合、耐候性、柔軟性、低汚染性、適用できる下地などは異なります。
そのため、見積書に単に「無機塗料」と記載されている場合は、
| 確認したい項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| メーカー名 | 信頼できるメーカー・製品か確認する |
| 正式な商品名 | 同じ「無機」でも商品性能が異なるため |
| 上塗り・下塗りの仕様 | 塗料同士・下地との相性を確認する |
| メーカー公表の耐候性 | 「無機だから長持ち」という説明だけに頼らないため |
| 適用できる外壁材 | 自宅の外壁に使用できるか確認する |
| 保証内容 | 耐用年数との違いを確認する |
といった点まで確認することが大切です。
無機塗料のメリットと欠点を一覧で確認
無機塗料は「欠点の多い塗料」ではありません。むしろ正しい条件で施工すれば、長期的な住宅メンテナンスにおいて非常に魅力的な選択肢です。
ただし、メリットの裏側には注意点があります。
| 特徴 | メリット | 欠点・注意点 |
|---|---|---|
| 高い耐候性 | 塗膜が長持ちしやすい | 初期費用が高くなりやすい |
| 紫外線に強い | 色あせや劣化を抑えやすい | 商品によって性能差がある |
| 硬い塗膜を形成する製品が多い | 傷や汚れに強い | 下地の動きへの追従性を確認する必要がある |
| 低汚染性に優れた製品が多い | 美観を維持しやすい | 再塗装時には適切な下地処理が必要 |
| 耐用期間が長い | 塗替え回数を減らせる可能性がある | 屋根やシーリングとの周期がずれる場合がある |
つまり、「無機塗料に欠点があるから選ばない」のではなく、欠点が自宅にとって問題になるかどうかを判断することが重要なのです。
スターペイントでも、プレミアム無機プランとして20~25年の耐用を掲げる無機系塗料を扱っています。高耐久塗料を選択できることは大きなメリットですが、塗料の性能だけではなく、住宅全体の状態を考えたうえで仕様を決めることを大切にしています。
💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|「無機塗料」という4文字だけで見積もりを比較しない
外壁塗装の相見積もりを見ていると、「A社は無機塗料120万円、B社は無機塗料100万円だからB社の方がお得」と判断したくなるかもしれません。しかし、現場側から見ると、この比較だけではほとんど意味がありません。
確認していただきたいのは正式な商品名と施工仕様です。同じ「無機塗料」でも製品は異なりますし、下塗り材、塗布量、塗装回数、補修範囲などによって工事内容も大きく変わります。
特に注意したいのが、見積書に「高耐久無機塗料」「プレミアム無機塗装」などの表記しかなく、メーカー名や商品名が記載されていないケースです。塗料の性能を比較するための情報が不足しているため、「どの商品ですか」「メーカーの仕様書を見ることはできますか」と確認しましょう。
高性能な塗料ほど、正しい仕様で施工して初めて本来の性能を発揮します。価格だけでなく、「何を、どのように塗るのか」まで比較することが、無機塗料で後悔しない第一歩です。
無機塗料の欠点は?契約前に知っておきたい注意点
「長持ちするなら無機塗料を選べば間違いない」と考えたくなりますが、無機塗料にも欠点があります。特に初期費用、ひび割れとの相性、施工品質は、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
最大の欠点は価格の高さ|ただし「高い=損」とも限らない
無機塗料の欠点として、まず挙げられるのが初期費用です。
一般的に高耐久な無機系塗料は、スタンダードなシリコン系塗料などと比較すると材料費が高くなりやすく、同じ住宅を塗装しても見積金額に差が出ることがあります。
ここで、「10万円、20万円高いなら無機塗料はやめよう」と初期費用だけで判断するのも、「一番高い塗料だから無機にしよう」と判断するのも、どちらもおすすめできません。
大切なのは、これからその家に何年住むのかという視点です。
例えば、今後30年以上住み続ける予定の住宅なら、耐候性の高い塗料を選び、将来の塗替え回数を抑えることで、足場費用を含めた長期的なメンテナンス費用を削減できる可能性があります。
一方で、
- 数年後に建替えを予定している
- 10年以内に売却する可能性が高い
- 将来的に外壁カバー工事を考えている
- とにかく今回の工事費を抑えたい
といった場合には、無機塗料の高耐久性を十分に生かせない可能性があります。
塗料を選ぶときは「今回いくら払うのか」だけではなく、
今回の工事費+次回の塗替え時期+次回発生する足場費
まで考えることが大切です。
塗装費用の考え方を簡単にすると、次のようになります。
| 比較ポイント | 初期費用重視 | 長期コスト重視 |
|---|---|---|
| 塗料価格 | 安い方が有利 | 高くても長持ちすれば選択肢 |
| 塗替え回数 | あまり重視しない | 少なくしたい |
| 足場代 | 今回分を重視 | 将来の足場回数まで考える |
| 居住予定 | 短い | 長い |
| 向いている考え方 | 今回の出費を抑える | 住宅を長期間維持する |
「無機塗料にすると自宅の場合はいくら変わる?」と気になる方へ
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硬い塗膜=必ずひび割れる、ではない。ただし下地との相性は重要
「無機塗料は硬いからひび割れしやすい」という説明を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、無機成分を多く取り入れた塗膜は高い硬度を持つ傾向があります。そのため、外壁や下地が大きく動いた場合に、柔軟性の低い塗膜では追従しにくくなる可能性があります。
ただし、ここで注意したいのは、現在販売されている無機塗料をすべて「硬くて割れやすい塗料」と考えるのは正しくないということです。
現在では、無機材料の耐候性と有機材料の柔軟性を組み合わせたハイブリッド型の製品もあります。スターペイントが取り扱う無機系塗料にも、無機と有機それぞれの特性を組み合わせた製品があります。
それでも、施工前にクラックが多い住宅では注意が必要です。
特に、
- モルタル外壁にひび割れが多い
- サッシ周辺にクラックが集中している
- 外壁材そのものが動いている
- シーリングが大きく破断している
- 外壁材に反りや浮きがある
といった場合、問題の原因は上塗り塗料ではなく「下地側」にある可能性があります。
ひび割れの上から高級な無機塗料を塗ったとしても、下地が再び動けば塗膜にも影響が及びます。
つまり重要なのは、
「無機塗料ならひび割れないか?」ではなく、「ひび割れの原因を処理したうえで、その下地に合う仕様になっているか?」
です。
「外壁のひび割れも気になる」という方へ
塗料のグレードを決める前に、まず現在の住宅にどの程度の補修が必要なのか、費用感を把握しておくことも大切です。
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💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|ひび割れを「塗料で隠す工事」にしない
現場で特に注意しているのが、既存のひび割れを確認せず、そのまま塗料を重ねてしまうケースです。塗装直後は表面がきれいになるため、施主様から見ると問題が解決したように見えます。しかし、クラックの原因が残ったままであれば、数年後どころか比較的早い段階で同じ位置にひび割れが現れることがあります。
重要なのは、塗装前の状態を写真で残し、どのクラックをどのように補修したのか確認できるようにすることです。
特にサッシの四隅、外壁材の接合部、モルタル壁などはひび割れが発生しやすいポイントです。クラックの幅や深さ、原因によって補修方法は変わります。
見積もりを確認するときは、「下地処理一式」という表現だけで終わらせず、ひび割れがある場合には「このひび割れはどう補修する予定ですか?」と聞いてみてください。
無機塗料のような高耐久塗料を選ぶのであれば、上塗りだけを高級にするのではなく、その塗膜を支える下地を整えることにこそ費用をかけるべきです。長持ちする塗装をつくるための主役は、完成すると見えなくなる下地処理だと私たちは考えています。
無機塗料で失敗・後悔しやすい7つのケース
無機塗料自体が悪いわけではありません。それでも「無機塗料を選んで後悔した」という声が生まれるのは、塗料の特徴と住宅・予算・施工条件が合っていないことが主な原因です。代表的な7つの失敗パターンを整理します。
「20年以上持つ」という言葉だけで決めると後悔することがある
無機塗料の提案を受ける際、
「20年以上持ちます」
「次の塗装はかなり先で大丈夫です」
と説明されることがあります。
高耐久塗料を検討するうえで耐用年数は重要ですが、ここで知っておきたいのが、「期待される耐用期間」と「保証期間」は同じではないということです。
例えば、スターペイントの屋根用プレミアム無機プランでは耐久年数20~25年と表示する一方、保証年数は10年としています。
これは矛盾しているわけではありません。
塗料の耐久性は、メーカーによる試験結果や塗料の性能をもとに想定されますが、実際の住宅は一軒一軒環境が違います。
同じ塗料を使用しても、
- 南面で強い紫外線を受け続ける
- 海沿いで塩害を受けやすい
- 山間部で湿気や苔が発生しやすい
- 屋根に日射が集中する
- 外壁の下地状態が良くない
などの条件によって劣化の進み方は変わります。
そのため、「20年という数字が書いてある=何があっても20年間メンテナンス不要」という理解は避けましょう。
無機塗料を選ぶときに見るべきなのは、「何年」という数字だけではありません。
どのような条件でその性能が期待できるのか、自宅の場合はどの程度を想定しているのかまで説明してもらうことが重要です。
失敗する原因は塗料より「施工」にある場合も多い
無機塗料で注意したいもう一つのポイントが施工品質です。
どれほど高性能な塗料でも、
- 高圧洗浄が不十分
- 下地補修が不足している
- 下塗り材が適していない
- メーカー指定の塗布量を守っていない
- 乾燥時間が不足している
- 塗重ね回数が不足している
- 雨や湿度など施工条件を無視している
といった施工を行えば、本来期待される性能を発揮できません。
外壁塗装では、完成すると「上塗りの色」しか見えなくなります。
例えば、下塗りを適正量使用したかどうかは、完成後に外から見てもほとんど判断できません。クラック補修やシーリング処理も同様です。
だからこそ、高価な塗料を使うほど、「どの塗料を選んだか」だけではなく「どのように施工されたか」が重要になります。
無機塗料で考えられる代表的な後悔をまとめると、次のようになります。
| 後悔・失敗のパターン | 主な原因 |
|---|---|
| ①思った以上に費用が高かった | 初期価格だけで比較していなかった |
| ②20年以上完全に放置できると思っていた | 耐用年数をメンテナンス不要期間と誤解 |
| ③ひび割れが再発した | 下地補修・外壁の動きを考慮していない |
| ④数年で不具合が出た | 下地処理・施工管理に問題 |
| ⑤外壁はきれいなのにシーリングが傷んだ | 部位ごとの耐久周期を考えていない |
| ⑥「無機」という名前だけで商品を選んだ | 商品性能を比較していない |
| ⑦高耐久にしたが数年後に売却した | 将来の住宅計画と合っていない |
つまり、無機塗料の失敗を防ぐには、「無機塗料の欠点」だけを調べるのでは不十分です。
住宅の状態・施工品質・今後の住まい方まで含めて判断する必要があります。
「自宅で無機塗料を選ぶと予算オーバーになる?」と感じたら
塗料を決める前に、まず外壁・屋根塗装そのものの概算費用を知っておくと比較しやすくなります。
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💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|完成後に見えなくなる工程ほど写真で確認する
外壁塗装で手抜き工事を見分けたい場合、完成した壁だけを見るのでは不十分です。むしろ私たちが重要だと考えているのは、「完成したら見えなくなる工程」です。
高圧洗浄、ケレン、クラック補修、シーリング、下塗り、中塗りなどは、最終的な上塗りが終わると確認できなくなります。
工事を依頼する前に、「施工中の写真は残してもらえますか」「下塗りや補修部分も確認できますか」と質問してみてください。
また、見積書に「外壁塗装3回塗り」と書かれているだけで安心するのではなく、どの下塗り材を使うのか、上塗り塗料は何缶程度使用する予定なのかまで聞くと、業者の説明力や施工への考え方も見えてきます。
無機塗料は材料費が高い分、「せっかく高い塗料にしたのだから」と上塗りばかりに目が向きがちです。しかし、塗膜の耐久性は塗料単体では決まりません。
下地処理・材料選定・職人の施工・現場管理がそろって、初めて高耐久塗料の価値が生まれます。
無機塗料が向かない家とは?外壁だけで判断しないことが重要
無機塗料は多くの住宅で使用できますが、すべての住宅で「無機が最適」とは限りません。外壁の状態だけでなく、屋根、シーリング、付帯部、今後の居住予定まで含めて考えることで、後悔のない選択につながります。
ひび割れや下地劣化が進んだ住宅は、塗料選びより補修を優先
外壁の劣化が進んでいる住宅では、「シリコンか、フッ素か、無機か」という塗料選びを始める前に、そもそも塗装で十分に保護できる状態なのかを判断する必要があります。
例えば、
| 外壁の状態 | 無機塗料を検討するときの注意点 |
|---|---|
| モルタルに多数のクラック | 原因とクラック幅を確認し、適切な補修を行う |
| サイディングに反り・浮き | 塗装だけで解決できるか確認 |
| シーリングが破断 | 打ち替えなどの処理を検討 |
| 塗膜が大きく剥離 | 既存塗膜の状態・密着性を確認 |
| 外壁材自体が傷んでいる | 張替え・カバー工法も含めて比較 |
| 雨漏りがある | 原因特定・防水処理を優先 |
特に注意したいのが、外壁材そのものの寿命や状態です。
高耐久な無機塗料を塗っても、その下にある外壁材が数年後に交換を必要とする状態なら、高価な塗料を使用したメリットを十分に得られない可能性があります。
これは屋根でも同じです。
「一番長持ちする塗料を塗りたい」という希望があっても、屋根材そのものが塗装によるメンテナンスに適さない状態であれば、カバー工法や葺き替えの方が合理的なケースもあります。
塗装は住宅を守るための方法の一つであり、塗装すること自体が目的ではありません。
無機塗料を塗る前に、「今の外壁や屋根は、あと何年使用できる状態なのか」を確認することが非常に重要です。
外壁だけ20年持っても、シーリングや屋根が先に劣化することがある
無機塗料を選ぶとき、スターペイントが特に重要だと考えているのが、家全体のメンテナンス周期です。
例えば外壁に高耐久な無機塗料を採用したとします。
しかし住宅には、
- 屋根
- シーリング
- 雨樋
- 破風
- 軒天
- 雨戸
- ベランダ防水
など、外壁以外にも多くのメンテナンス箇所があります。
外壁塗膜がまだきれいでも、10数年後に屋根やシーリングの補修が必要となり、再び足場を設置することになれば、「無機塗料にしたから20年間何もしなくてよい」という計画にはなりません。
ここが、塗料単体の耐久性だけで考えると見落としやすいポイントです。
例えば、外壁を高耐久仕様にする場合には、
「屋根も同程度の周期に合わせるべきか」
「シーリングにはどの程度の耐久性を持たせるか」
「次回足場を組むのは何年後を想定するか」
まで考えます。
住宅のメンテナンス費用では、塗料代だけでなく足場代も一定の負担となります。
そのため理想は、
「最も長持ちする塗料を各部位に使う」ことではなく、「家全体の次回メンテナンス時期をできるだけ合理的に合わせる」ことです。
これは無機塗料を検討する際に、ぜひ覚えておいていただきたい考え方です。
外壁だけでなく屋根も同時に塗装した場合の費用を知りたい方へ
外壁・屋根を別々に工事する場合と同時に施工する場合では、将来の足場計画も変わります。まずご自宅の概算費用を確認してみてください。
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💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|塗料の耐用年数ではなく「次に足場を掛ける年」を決める
高耐久塗料をご提案するとき、私たちが意識しているのは「この塗料は何年持つか」だけではありません。
本当に考えたいのは、この家に次回足場を設置するのはいつなのかです。
例えば外壁を20年程度の耐久性が期待できる仕様にしても、屋根を10年前後で再塗装する計画なら、途中でもう一度足場代が必要になる可能性があります。一方、外壁と屋根を同時に高耐久仕様にして次回メンテナンスのタイミングを近づけられれば、長期的には合理的になることがあります。
シーリングやベランダ防水なども同じです。
塗装業者から複数のプランを提案されたら、「このプランの場合、次に足場を組むのは何年後を想定していますか?」と聞いてみてください。
この質問に対して、外壁塗料の耐用年数だけではなく、屋根・シーリング・付帯部を含めて説明してくれる業者であれば、住宅全体を見ながら提案している可能性が高いでしょう。
高耐久塗料の価値は、「高い塗料を塗ったこと」ではなく、将来のメンテナンス計画を合理化できたかどうかで判断することが大切です。
無機塗料は結局お得?シリコン・フッ素と比較して考える
無機塗料の価格を見ると「そこまで高い塗料が本当に必要?」と感じる方もいるでしょう。逆に「最も長持ちするなら無機一択」と考える方もいます。どちらが正しいというわけではなく、住宅の使用年数や予算によって最適な選択は変わります。
塗料代ではなく、将来の塗替え回数まで比較する
外壁塗料を比較するときは、1回あたりの工事価格だけではなく、長期的なコストを見ることが重要です。
一般的な考え方を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | シリコン系 | フッ素系 | 無機系 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい | やや高い | 高くなりやすい |
| 耐候性 | 標準~高め | 高い | 非常に高い製品が多い |
| 長期所有との相性 | ○ | ◎ | ◎ |
| 初期費用を抑えたい | ◎ | ○ | △ |
| 塗替え頻度を減らしたい | ○ | ◎ | ◎ |
| 商品ごとの差 | あり | あり | 特に確認が重要 |
※実際の耐久性や価格は製品、外壁材、立地条件、施工仕様によって異なります。
ここで見落としてはいけないのが足場費用です。
仮に塗料の材料費だけを見ると無機塗料の方が高くても、将来的な塗替え回数が1回減れば、その1回分の足場代、洗浄費、養生費、施工費なども発生しなくなる可能性があります。
逆に、今後10年程度しか住まない住宅に対して、将来20年以上先まで見据えた高耐久仕様が必ず必要とは限りません。
そのため「どの塗料が一番コスパがいいですか?」という質問に、すべての住宅で共通する答えはありません。
住宅の条件だけでなく、
- 現在の年齢
- 今後何年住む予定か
- 建替えの予定
- 売却の可能性
- 将来のリフォーム計画
- 今回用意できる予算
なども含めて考える必要があります。
外壁塗装は「塗料選び」であると同時に、住まいの資金計画でもあるのです。
無機塗料を選ぶべき人・選ばなくてもよい人
ここまでを踏まえて、無機塗料が向いている方、慎重に判断した方がよい方を整理しましょう。
無機塗料が向いている可能性が高い方
- 今後も現在の住宅に長期間住む予定
- 将来の塗替え回数をできるだけ減らしたい
- 初期費用より長期的な維持費を重視している
- 外壁の美観を長期間保ちたい
- 外壁や下地の状態が比較的良好
- 屋根やシーリングも含めて長期メンテナンス計画を立てられる
- 信頼できる施工会社に依頼できる
反対に、次のような場合は慎重に考えます。
無機塗料を急いで選ばなくてもよい可能性がある方
- とにかく今回の工事費を抑えたい
- 数年~10年程度で売却・建替えを予定している
- 外壁材そのものの劣化が進んでいる
- 将来的に外壁カバー工法を予定している
- 屋根や他部位とのメンテナンス周期が大きくずれる
- 下地補修に大きな費用が必要
- 「一番長持ちするから」という理由だけで検討している
重要なのは、無機塗料を選ばなかったからといって「グレードを落とした」という考え方をしないことです。
住宅の状態や人生設計に合っているのであれば、シリコン系やフッ素系など別の塗料を選択することも十分合理的です。
「無機・フッ素・シリコンでどの程度費用が変わるのか知りたい」という方へ
まずはご自宅の外壁・屋根塗装に必要な概算費用を把握すると、予算を決めやすくなります。
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💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|「一番高いプラン」ではなく「一番合うプラン」を選ぶ
塗装の見積もりでは、「松・竹・梅」のように複数のプランが提示されることがあります。すると、「どうせ工事するなら一番上のプランにした方が安心」と思われる方も少なくありません。
しかし、現場のプロとしてお伝えしたいのは、塗料のグレードと工事の正しさは別の話だということです。
例えば、10年程度で外壁そのものの大規模改修を予定している住宅なら、20年以上先を見据えた高耐久塗料のメリットは小さくなります。
逆に、現在50代で「この家にあと30年以上住みたい」という方であれば、足場を掛ける回数まで含めて高耐久塗料を検討する意味は大きくなります。
業者から高いプランを勧められたときには、「なぜ私の家にはこの塗料が必要なのですか?」と聞いてみてください。
商品パンフレットの性能を説明するだけではなく、自宅の外壁材・劣化状態・今後のメンテナンス計画と結び付けて説明できるかが重要です。
「無機塗料を売りたい業者」ではなく、「必要でなければ無機塗料を勧めない業者」を選ぶことも、後悔しない外壁塗装につながります。
無機塗料で失敗・後悔しないための選び方
無機塗料で失敗しないためには、塗料選びと同じくらい施工会社選びが重要です。「無機塗料を扱っています」というだけではなく、住宅の状態を診断し、その商品を選ぶ理由まで説明できる業者を選びましょう。
「無機」という名前ではなく、商品と施工仕様を確認する
見積もりを受け取ったら、最低でも次の項目を確認することをおすすめします。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| メーカー名 | どこの会社が製造しているか |
| 商品名 | 正式な製品名が記載されているか |
| 下塗り材 | 外壁材・既存塗膜に適したものか |
| 塗装回数 | メーカー仕様に沿っているか |
| 塗布量 | 必要な材料量が確保されているか |
| 補修内容 | クラック・シーリング処理は含まれるか |
| 適用下地 | 自宅の外壁材に対応しているか |
| 保証 | 対象部位・期間・免責条件は何か |
特に「保証10年」「耐用20年」などの表現がある場合は、その二つを混同しないことが大切です。
保証については、
「何が起きたら保証対象になるのか」
「色あせは対象なのか」
「ひび割れは対象なのか」
「下地が原因の場合はどうなるのか」
まで確認しましょう。
また、相見積もりを取る場合には総額だけを横並びにしないことも重要です。
例えば、
A社:無機塗料 105万円
B社:無機塗料 120万円
という見積もりだけを見るとA社が安く見えます。
しかし、B社にはシーリング打ち替えやクラック補修、付帯部、ベランダ防水まで含まれている一方、A社には含まれていない可能性があります。
比較するときは「外壁塗装の金額」ではなく、同じ工事範囲・同じ施工内容にそろえて比較することが大切です。
業者選びでは価格より「7つの質問」をしてみる
無機塗料で後悔したくない方は、契約前に施工会社へ次の7つを質問してみてください。
| 質問 | 確認したいこと |
|---|---|
| ①この無機塗料を勧める理由は? | 自宅に合わせた提案になっているか |
| ②メーカーと正式な商品名は? | 商品が明確か |
| ③私の外壁材との相性は? | 外壁材を診断しているか |
| ④ひび割れはどう処理する? | 下地処理の考え方 |
| ⑤屋根・シーリングは何年後に補修予定? | 家全体を見ているか |
| ⑥施工中の写真は残る? | 工程管理の透明性 |
| ⑦無機以外なら何をおすすめする? | 一つの塗料だけを売ろうとしていないか |
この質問に対して明確に説明できる会社であれば、比較検討する価値があります。
反対に、
「無機だから絶対大丈夫です」
「一番高い塗料なので一番いいです」
「今日契約すれば大幅に安くできます」
というように、住宅の状態より商品や値引きの話ばかりをする場合は、一度冷静に検討してもよいでしょう。
スターペイントでは、外壁塗装・屋根塗装の専門店として、単に傷んだ部分を塗装するのではなく、住まいを長く守るための提案を重視しています。塗料についても、ご予算や希望する耐久年数に合わせて複数の選択肢から検討していただくことを基本としています。
「見積もりを取る前に、おおよその予算だけ確認しておきたい」という方へ
外壁塗装は、相場を知らない状態で見積もりを受け取ると、高いのか安いのか判断しにくい工事です。事前に概算を把握しておくと、業者との打ち合わせもしやすくなります。
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💡 現場のプロからのワンポイントアドバイス|相見積もりは「総額」より「抜けている項目」を探す
相見積もりを取ったとき、多くの方が最初に見るのは一番下に書かれた合計金額です。しかし、塗装工事では安い見積もりほどお得とは限りません。
私たちが見積書を比較するときに注目するのは、「何が含まれていないか」です。
例えば、
- シーリングは打ち替えか増し打ちか
- クラック補修は含まれているか
- 軒天・破風・雨樋はどこまで塗るのか
- ベランダ防水は必要ないのか
- 下塗り材の商品名は何か
- 屋根の縁切り・タスペーサー等が必要な屋根ではどうするのか
- 施工後の保証範囲はどこまでか
などです。
見積総額が20万円安くても、必要な工事が含まれていなければ、単純に安いとはいえません。
また、「無機塗料なのに他社より極端に安い」という場合には、塗料名、塗装面積、材料量、工事範囲を確認してみましょう。
外壁塗装で後悔を防ぐ一番の方法は、値引き交渉を上手にすることではありません。何にいくら払っているのかを理解したうえで契約することです。
コラムのまとめ|無機塗料の欠点を知ったうえで「自宅に合うか」を判断しよう
無機塗料は、高い耐候性が期待でき、外壁塗装の塗替え回数を減らしたい方にとって非常に魅力的な選択肢です。
しかし、「無機塗料だから絶対に失敗しない」「一番高価だから一番いい」というわけではありません。
無機塗料の主な欠点・注意点としては、
- 初期費用が高くなりやすい
- 商品によって性能が異なる
- 下地の動きやひび割れとの相性を確認する必要がある
- 高い性能を生かすには適切な施工が必要
- 外壁だけ長持ちしても、屋根やシーリングが先に劣化する可能性がある
- 短期間で売却・建替えをする場合は高耐久性を生かしきれない
といった点があります。
そして、無機塗料で後悔しないために最も重要なのは、塗料そのものだけを見るのではなく、
①塗料
②外壁・下地の状態
③施工品質
④屋根・シーリングを含めた家全体のメンテナンス周期
⑤今後その住宅に何年住むのか
という5つをセットで考えることです。
特に外壁塗装では、「最高級の塗料を使用すること」よりも「今の住宅に合った仕様で正しく施工すること」の方が重要です。
ひび割れがあるなら、まず原因と補修方法を考える。外壁材が傷んでいるなら、塗装で維持できる状態なのか確認する。無機塗料を20年以上使用する計画なら、屋根やシーリングを何年後にメンテナンスするかまで考える。
そこまで検討したうえで無機塗料を選ぶのであれば、高い耐候性を生かした非常に有力な選択肢になります。
反対に、「一番長持ちすると言われたから」という理由だけで無機塗料を選ぶ必要はありません。
スターペイントでは、累計6,000件以上の施工経験をもとに、お住まいの状態や将来のメンテナンス計画を踏まえながら、外壁・屋根塗装をご提案しています。
無機塗料にするか迷っている方も、まずは「自宅はいま、どのような状態なのか」「どの程度の費用が必要なのか」を知るところから始めてみてください。
おわりに|9月は台風・秋雨の前後に外壁や屋根の状態を確認しておきましょう
9月は、地域によって台風や秋雨の影響を受けやすい時期です。強い雨や風をきっかけに、これまで気付かなかった外壁のひび割れやシーリングの劣化、屋根材の傷みなどが見つかることもあります。
無機塗料を検討するときも、いきなり「どの塗料にするか」を決める必要はありません。
まず現在のお住まいの状態を知り、補修が必要な場所、塗装できる場所、今後のメンテナンス時期を整理したうえで、その家に合った塗料を選ぶことが大切です。
「そろそろ外壁塗装が必要かもしれない」「無機塗料にするとどのくらい費用が変わる?」「外壁と屋根を一緒に工事するといくらくらい?」という方は、3分程度のチャット入力で概算費用を確認できる無料見積シミュレーションをぜひご活用ください。
ご自宅の塗装費用を把握しておくだけでも、今後の塗装計画や相見積もりの判断がしやすくなります。
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