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【2025年版】ジョリパット大壁工法の単価は?相場・内訳・費用差が出る理由を専門家が徹底解説

「家の外観をもっとおしゃれに、高級感のある塗り壁にしたい」

「サイディングの継ぎ目(目地)が目立たない、シームレスな壁に憧れる」

そんなこだわりのある施主様や、デザイン性の高い住宅で近年採用が増えているのが、アイカ工業の「ジョリパット」を使用した**「大壁(おおかべ)工法」**です。

通常のサイディング仕上げとは一線を画すその意匠性は非常に魅力的ですが、検討する際に最もネックになるのが**「費用(単価)」**の分かりにくさではないでしょうか。

「普通のジョリパット施工と何が違うの?」「㎡単価はいくらが適正?」

インターネットで検索しても、工法による違いが曖昧で、正確な相場がつかみにくいのが現状です。

本記事では、年間3,000件以上の施工実績を持つ外壁塗装の専門家(スターペイント)が、ジョリパット大壁工法の㎡単価、費用の内訳、見積もりで金額差が出る理由、そして施工前に知っておくべきリスクまで、徹底的にわかりやすく解説します。

適正価格と価値を正しく判断し、理想の外壁を実現するための手引きとしてご活用ください。

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ジョリパット大壁工法とは?

単価の話に入る前に、そもそも「ジョリパット大壁工法」とはどのようなもので、通常の施工と何が違うのか、その基本構造を理解しておきましょう。ここを理解することで、なぜ費用がかかるのかが納得できるはずです。

大壁工法の基本構造と一般工法との違い

通常、日本の住宅で多く使われている「サイディング外壁」は、パネルを張り合わせて作るため、パネルとパネルの間に必ず「目地(コーキング)」が入ります。この目地が、デザインの一体感を損なう原因となることがありました。

**「大壁工法」**とは、このサイディングの目地を目立たなく処理し、その上からジョリパットなどの塗り壁材で仕上げることで、まるで壁一面が継ぎ目のない大きな一枚の壁(大壁)のように見せる工法のことです。

  • 一般工法(モルタル下地など):左官職人がモルタルで下地を作り、その上にジョリパットを塗る伝統的な方法。乾燥時間が長く、ひび割れリスクが高い。
  • 大壁工法(サイディング下地):無塗装の専用サイディングボード(大壁用下地材)を張り、板の継ぎ目を専用のパテやネットで補強処理した後、全体をジョリパットで仕上げる方法。

つまり、大壁工法は**「サイディングの施工性・耐震性」と「塗り壁の美しさ」のいいとこ取りをしたハイブリッドな工法**と言えます。

ジョリパット仕上げの特徴(意匠性・耐久性・防火性)

仕上げ材として使われる「ジョリパット」は、発売から45年以上の実績を持つ、塗り壁材のスタンダードです。

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  1. 圧倒的な意匠性コテ、ローラー、吹き付けなど、職人の手仕事によって100種類以上のパターン(模様)と、豊富なカラーバリエーションを実現できます。和風、モダン、南欧風など、どんなテイストにもマッチします。
  2. 可とう性(柔軟性)による耐久性ジョリパットは硬く固まるだけでなく、わずかな弾力性(可とう性)を持っています。これにより、下地の動きや微細な振動に追従し、塗り壁の宿命である「ひび割れ(クラック)」を抑制します。
  3. 色あせしにくい耐候性色あせに強い「耐候性」機能を持っており、長期間にわたって美観を保ちます。また、防藻・防カビ性能も備えています。

ジョリパット大壁工法の単価相場

それでは、気になる費用の話に移ります。ジョリパット大壁工法は、一般的な塗装工事に比べて工程が複雑なため、単価も高めに設定されています。

ジョリパット大壁工法の㎡単価相場(最新の相場レンジ)

2025年現在、ジョリパット大壁工法を行う場合の㎡単価の目安は以下の通りです。

※ここでの単価は、下地処理(目地処理)から仕上げまでの工程を含んだ概算です。足場代や下地ボード張り自体の費用は含みません。

表①:施工方式別の相場比較

施工方式㎡単価の目安特徴
吹き付け仕上げ3,500円 ~ 5,500円スプレーガンで砂壁状に仕上げる。工期が短く、比較的安価。
ローラー仕上げ4,000円 ~ 6,000円専用ローラーでパターンを付ける。ムラが少なく均一な仕上がり。
コテ仕上げ(標準)5,500円 ~ 8,000円左官職人がコテで模様を描く。技術が必要で手間がかかるため高価。
特殊仕上げ(校倉など)7,000円 ~ 10,000円高度な技術と時間を要する複雑なパターン。

表②:大壁工法×ジョリパットの相場感(一般塗装と比較)

工事内容30坪(約120㎡)の費用目安備考
一般的なシリコン塗装60万円 ~ 90万円既存壁の塗り替え
ジョリパット改修(塗り替え)80万円 ~ 120万円既存ジョリパットの上から専用塗料で塗装
ジョリパット大壁工法(新設)120万円 ~ 180万円下地処理+ジョリパット施工(※下地ボード代は別途の場合あり)

大壁工法の場合、単に「塗る」だけでなく、ボードの継ぎ目を消すための高度な下地処理が必要になるため、通常の塗装工事の1.5倍〜2倍近い費用がかかるケースも珍しくありません。

なぜ単価に幅がある?費用が上がりやすい条件

「相場に幅がありすぎる」と感じるかもしれませんが、ジョリパット施工はオーダーメイドに近い性質があるため、以下の条件によって金額が大きく変動します。

  • 仕上げパターンの種類例えば、平らに仕上げる「フラット」や、櫛引(くしびき)のような「校倉(あぜくら)」などのパターンは、職人が何度もコテを動かす必要があり、施工時間が通常の倍以上かかることもあります。手間=人件費ですので、複雑な模様ほど単価は跳ね上がります。
  • 使用材料のグレードジョリパットには、汚れに強い「ジョリパット∞(インフィニティ)」や、寒冷地向けの「ジョリパットネオ」など、機能性を高めたグレードが存在します。高機能な材料を選べば、材料費が上がります。
  • 下地の状態リフォームの場合、既存の外壁の状態が悪ければ補修費用がかさみます。特に大壁工法は「目地の処理」が命ですので、ここを丁寧にやるかどうかで費用(と寿命)が変わります。

費用内訳の徹底解説:見積書でチェックすべきポイント

見積書に「ジョリパット工事一式」と書かれていたら注意が必要です。適正価格かどうかを見極めるために、費用の内訳を知っておきましょう。

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材料費:ジョリパット本体・下塗り材・補修材の費用モデル

材料費は、仕上げの塗料だけでなく、見えない下地材にもコストがかかっています。

表③:材料費の目安一覧(1㎡あたり)

材料名単価目安役割
ジョリパット主材1,500円 ~ 3,000円仕上げ用の材料。骨材(砂)の量や種類で変動。
シーラー(下塗り材)500円 ~ 800円下地と主材を密着させる接着剤。
弾性パテ・寒冷紗800円 ~ 1,200円**【重要】**ボードの継ぎ目を埋め、割れを防ぐための特殊材。
トップコート500円 ~ 1,000円オプション。汚れ防止のために上塗りする場合に使用。

大壁工法で特に重要なのが**「弾性パテ」と「寒冷紗(ガラス繊維ネット)」**です。これらを適切に使って目地を補強しないと、施工後すぐにボードの継ぎ目に沿ってひび割れが発生してしまいます。この材料費が削られていないかを確認することが重要です。

施工費:人件費・手間賃・工程による増減

施工費は、職人の技術料と作業時間です。ジョリパット大壁工法は、一般的な塗装よりも工程が多くなります。

  1. 下地調整(目地処理):ボードの継ぎ目にパテを埋め、ネットを張り、さらにパテで平滑にする。乾燥時間を挟みながら2〜3回繰り返します。
  2. シーラー塗布:吸い込み止めと密着強化。
  3. 中塗り(ベース塗り):全体の色と厚みを決める塗装。
  4. パターン付け(仕上げ):コテやローラーで模様をつける。一発勝負の熟練技。

一般的な塗装が「3回塗り」なのに対し、大壁工法は下地処理を含めると「5〜6工程」になります。工期も長くなるため、その分人件費が高くなります。

ジョリパット大壁工法のメリット・デメリット

デザイン性は抜群ですが、コストやメンテナンス面での理解も必要です。

メリット:見た目・機能性・長寿命・メンテ性

  • 高級感と独自性:継ぎ目のないシームレスな壁面は、邸宅のような重厚感と高級感を演出します。光の当たり方で表情が変わるのも魅力です。
  • ひび割れにくい:モルタル壁に比べて下地(サイディング)の挙動が安定しており、専用の目地処理を行うことでクラックリスクを大幅に低減できます。
  • 通気性と耐久性:塗膜が呼吸するため、建物内部の湿気を逃がし、結露を防ぐ効果があります。

デメリット:コスト・施工難易度・経年劣化の注意点

  • 初期費用が高い:サイディング仕上げに比べ、部材費と人件費がかさみます。
  • 職人の腕に左右される:パターンの出来栄えは職人のセンスと技術次第です。「イメージと違う」というトラブルを防ぐため、事前のサンプル確認が必須です。
  • 汚れが溜まりやすい:凹凸のあるデザイン(エンシェントブリックなど)は、溝にホコリや雨水が溜まりやすく、コケや汚れの原因になることがあります。

【比較】他の外壁仕上げと比べたときの価格・性能・メンテ性

他の選択肢と迷っている方のために、比較表で整理しました。

サイディングとの比較(費用・デザイン性・耐久性)

表④:ジョリパット大壁工法 vs サイディング 比較一覧

比較項目ジョリパット大壁工法一般的な窯業系サイディング
初期費用高い(120万〜)普通(80万〜)
デザイン性◎(継ぎ目なし・自由)△(目地あり・既製品)
メンテナンス15年〜20年(再塗装)10年〜15年(目地打ち替え・塗装)
ひび割れリスク○(対策済みだがゼロではない)◎(ほぼ割れない)
汚れやすさ△(凹凸による)○(製品による)

「目地を見せたくない」「既製品にはない質感を出したい」という場合はジョリパット大壁工法が圧倒的に有利です。一方、「コストを抑えたい」「メンテナンスを楽にしたい」という場合はサイディングに分があります。

一般モルタル塗装との比較(工程数・仕上げ・耐候性)

従来のモルタル下地のリシン吹き付けなどに比べると、大壁工法は「ひび割れ(クラック)への耐性」が格段に向上しています。

モルタルは乾燥収縮で割れやすいのが宿命ですが、大壁工法は下地が工業製品(ボード)であるため品質が安定しており、長期的な建物の保護という観点でも優れています。

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ジョリパット大壁工法の施工で失敗しないためのポイント

最後に、この工法で後悔しないための業者選びとチェックポイントをお伝えします。

失敗しやすいポイントと事前に防ぐ方法

最も多い失敗は、**「施工後数年で、ボードの継ぎ目に沿って線が入る(ひび割れる)」**という現象です。

これは、下地処理(パテ埋めやネット張り)の手抜きや、乾燥不足が原因です。

これを防ぐためには、「大壁工法の施工実績が豊富な業者」を選ぶしかありません。左官の技術だけでなく、大壁工法特有の「目地処理のノウハウ」を持っているかが重要です。

見積もり時に必ず確認したい6つのチェック項目

契約前に、以下の項目が見積書や打ち合わせに含まれているか確認してください。

  1. **「大壁工法(またはノンクラック工法)」**という明記があるか?
  2. **下地処理(弾性パテ・グラスファイバーネット)**の工程が含まれているか?
  3. 仕上げパターンの名前(例:エンシェントブリック)が指定されているか?
  4. 使用するジョリパットの品番・グレードが書かれているか?
  5. **トップコート(汚れ防止)**の有無はどうなっているか?
  6. 施工保証の内容(特にひび割れに対する保証)はどうか?

コラムのまとめ

ジョリパット大壁工法の単価や特徴について解説してきました。

  • ㎡単価相場:4,000円〜8,000円(仕上げパターンにより大きく変動)。
  • 総費用目安:30坪で120万円〜180万円程度(一般塗装より高め)。
  • 最大の価値:サイディングの継ぎ目を消し、高級感のある塗り壁を実現できること。
  • 注意点:目地処理の技術が命。安さだけで業者を選ぶと、早期のひび割れリスクがある。

ジョリパット大壁工法は、決して安い工事ではありません。しかし、その仕上がりの美しさと、職人の手仕事による唯一無二の質感は、コスト以上の満足感を与えてくれるはずです。

「費用」だけでなく、その「価値」と「業者の技術力」を天秤にかけて判断することをおすすめします。


記事の締め

外壁の仕上げ選びは、見た目と耐久性の両面で住まいの満足度を大きく左右します。

高級感のある質感が魅力のジョリパット大壁工法ですが、下地の状態や希望するパターンによって費用が大きく変わるため、「自分の家の場合はいくらかかるのか」を正確に把握しておくことが大切です。

気温が下がり空気が乾燥するこれからの季節は、左官工事や塗装の乾燥に適したシーズンでもあります。

スターペイントでは、ご自宅の外壁状況に応じた最適な見積もりを、3分間のチャット入力で無料シミュレーションできます。

「ジョリパットに興味があるけど、費用感が知りたい」方はぜひお気軽にお試しください。

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