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ALC目地シーリングの単価はいくら?m単価相場・見積の見方・費用が変わる条件を徹底解説

外壁塗装やメンテナンスの見積書を受け取った際、多くの施主様が驚かれるのが「シーリング工事(コーキング工事)」の項目です。特にご自宅の外壁がALCパネル(軽量気泡コンクリート)の場合、一般的なサイディング住宅に比べてシーリングの施工箇所が圧倒的に多く、その分だけ費用も高額になりがちです。「増し打ち」「打ち替え」といった工法の違いや、「m単価(メートル単価)」の相場が分からず、提示された見積金額が適正なのか不安を感じる方も少なくありません。

本記事では、ALC外壁における目地シーリング工事に特化し、適正なm単価の相場、費用が変動する理由、そして失敗しない見積書のチェックポイントについて、専門的な視点を交えながら一般家庭向けに分かりやすく解説します。大切なご自宅を長く守るための正しい知識を身につけましょう。

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ALC目地シーリングの単価相場はいくら?

ALC外壁のメンテナンスにおいて、最も費用の目安がつきにくいのがシーリング工事です。まずは、業界標準とも言える一般的なm単価の相場と、なぜ価格に幅があるのかという基本的な考え方について整理していきます。

ALC目地シーリングのm単価相場【目安一覧】

ALC外壁のシーリング工事にかかる費用相場は、主に行う工法が「増し打ち(ましうち)」なのか「打ち替え(うちかえ)」なのかによって大きく異なります。また、使用するシーリング材のグレードや、建物の立地条件によっても変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

工法m単価の相場(目安)特徴適正な用途
増し打ち500円〜900円 / m既存のシーリングを残したまま、上から新しい材を充填する劣化が軽度な場合や、サッシ廻りなどカッターを入れにくい箇所
打ち替え900円〜1,500円 / m既存のシーリングを完全に撤去し、新しく打ち直す劣化が進行している場合や、耐久性を重視する場合の基本工法

この金額を見て「幅が広いな」と感じられるかもしれません。この価格差には、「材料費」と「人件費(手間賃)」のバランスが関係しています。例えば、単価が安い業者の場合、高品質なシーリング材を使っていても、既存のシーリングを撤去する手間を省いていたり、接着剤の役割を果たす「プライマー」の塗布を簡略化していたりするケースがあります。

逆に、単価が高めに設定されている場合、高耐久なシーリング材(オートンイクシードなど)を使用しているか、あるいはALC特有の深い目地に対してしっかりと厚みをつけて充填するための材料費が含まれていることが多いです。ALCパネルは目地が深く、サイディングに比べてシーリング材の使用量が多いため、単にm単価の安さだけで比較するのは危険です。「m単価=材料の質+職人の技術料」であると理解し、極端に安すぎる単価には裏があると考えた方が安全でしょう。

なぜALC目地の単価は幅が大きいのか?

ALC外壁のシーリング工事において、見積もりの単価に大きな幅が生じる最大の理由は、「ALCという建材の特殊性」にあります。一般的な窯業系サイディングの場合、目地の深さはある程度規格で決まっており、シーリング材の使用量も予測しやすいのが特徴です。しかし、ALCパネルの場合は建物によって目地の形状や深さが異なり、施工に必要な手間と材料費が現場ごとに大きく変わるのです。

まず、「目地の深さと幅」の問題があります。ALCパネルは厚みがあるため、目地も深く設計されています。正しい施工を行うためには、十分な厚みを確保してシーリング材を充填する必要がありますが、これには大量の材料が必要です。見積もり単価が安い場合、十分な量を充填せず、表面だけを綺麗に仕上げてごまかす「薄打ち」が行われるリスクがあります。適正な厚みを確保する業者と、そうでない業者では、材料費だけで倍近くの差が出ることがあるのです。

次に、「下地処理の手間」です。ALCはコンクリートの一種であり、表面が多孔質(穴が多い構造)になっています。そのため、シーリング材を密着させるためのプライマー(接着剤)の吸い込みが激しく、通常よりも丁寧に、場合によっては2度塗りをする必要があります。この見えない工程を丁寧に行うかどうかで、職人の作業時間は大きく変わります。

さらに、ALC外壁は「構造的に雨漏りに弱い」という特性上、絶対に手抜きが許されない箇所です。万が一施工不良があれば直結して雨漏りリスクとなるため、責任施工を行う優良業者は、リスク回避のために十分な工数と検査費用を単価に含んでいます。一方、とにかく安く受注したい業者は、これらの「見えない安心コスト」を削って単価を下げます。つまり、単価の幅はそのまま「安心と耐久性の差」であると言っても過言ではありません。

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ALC外壁ならではのシーリング工事の特徴

ALC外壁の目地シーリングは、モルタル外壁やサイディング外壁とは根本的に役割や重要度が異なります。なぜALCにおいてシーリングが「命綱」と呼ばれるのか、その構造的な理由と特徴を深掘りします。

ALC外壁と他外壁の目地構造の違い

ALCパネル(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)は、日本語で「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」と呼ばれます。その名の通り、内部に無数の気泡を含んでいるため、断熱性や耐火性に優れていますが、その反面「水に弱い」という致命的な弱点を持っています。ALCパネル自体には防水性がなく、表面の塗装と目地のシーリングだけで雨水の侵入を防いでいるのです。

サイディング外壁との決定的な違いは、「防水の仕組み」にあります。近年のサイディング工法では「通気工法」が採用されており、外壁材の下に透湿防水シートという「二次防水」が存在します。万が一シーリングが切れて雨水が入っても、このシートが家を守ってくれます。しかし、ALC工法(特に鉄骨造)の多くは、パネルの裏側に防水シートが入っていないことが多く、シーリング(一次防水)の突破が即、雨漏りや躯体の腐食に直結する構造になっています。

外壁材の種類目地の主な役割シーリングの重要度二次防水の有無
ALCパネル主たる防水機能(命綱)非常に高い(Sランク)無いことが多い
サイディングパネルの動きを吸収+防水高い(Aランク)有る(透湿防水シート)
モルタルひび割れ誘発目地など中(Bランク)ラス網・防水紙など

このように比較すると、ALCにおけるシーリング工事がいかに重要かがわかります。単に隙間を埋めるだけではなく、建物の寿命そのものを左右する「防水工事」であるという認識が必要です。また、ALCパネルは規格サイズ(一般的に幅600mm)が決まっているため、家全体で見ると目地の総延長(長さ)がサイディング住宅の2〜3倍にもなります。施工箇所が多いということは、それだけ劣化リスクのある箇所が多いということであり、1箇所の施工不良が命取りになる可能性を含んでいます。

ALC目地の劣化が引き起こすリスク

ALC目地のシーリングが劣化すると、どのようなリスクが生じるのでしょうか。最も分かりやすい初期症状は、シーリング材の「ひび割れ」「肉痩せ(縮んで隙間ができる)」「剥離(側面から剥がれる)」です。紫外線や雨風の影響でゴム状のシーリング材が硬化し、建物の動き(揺れや膨張収縮)に追従できなくなることで発生します。

ALCの場合、これらの隙間から雨水が侵入すると、甚大な被害を引き起こします。まず、ALCパネル内部の気泡に水が浸透します。水を含んだALCは、冬場の凍結によって内部から膨張し、コンクリートを破壊する「爆裂現象(ポップアウト)」を起こすことがあります。外壁の表面がボロボロと崩れ落ちているALCを見かけることがありますが、これはシーリングの劣化による吸水が原因であることが多いです。

さらに深刻なのが、ALCパネル内部にある「補強鉄筋」と、建物の構造体である「鉄骨」の錆び(サビ)です。ALCパネルの中には強さを保つための金網(ラス網)や鉄筋が入っていますが、これらが水に触れて錆びると体積が膨張し、パネルを内側から割ってしまいます。また、建物自体の鉄骨や柱が錆びれば、耐震性の低下にもつながります。

「外壁塗装をすれば大丈夫」と考える方もいますが、塗装の塗膜だけでは、動く目地の隙間を埋め続けることはできません。劣化したシーリングの上から塗装しても、すぐに塗膜ごと割れてしまいます。ALC住宅においては、「塗装よりもシーリングの方が重要」と言われるほど、目地の健全性は家の資産価値を守る上で最優先事項なのです。

劣化が進む前に!手遅れになる前に費用感をチェック!

増し打ちと打ち替え|単価が変わる工法の違い

ALC目地シーリングの見積もりを見る際、必ず確認しなければならないのが「工法」です。費用を抑える「増し打ち」と、性能をリセットする「打ち替え」。それぞれのメリット・デメリットと、ALCにおいてどちらを選ぶべきかを解説します。

増し打ち工法の特徴と向いているケース

「増し打ち(ましうち)」とは、既存の古くなったシーリング材を撤去せず、その上から新しいシーリング材を充填する工法です。既存のシーリングが劣化して痩せている(凹んでいる)場合、その凹みを埋めるように施工します。

この工法の最大のメリットは「費用が安い」ことです。古いシーリングをカッターで切り取る「撤去作業」と、撤去した廃材を処分する「産廃処分費」がかからないため、打ち替えに比べてm単価を抑えることができます。また、施工期間も短縮できるため、工期を急ぐ場合にも選ばれます。

ALCの場合、サッシ(窓枠)廻りのシーリングに関しては、この増し打ちが推奨されることがよくあります。なぜなら、サッシ廻りのシーリングの奥には防水紙(二次防水)が巻き込まれていることがあり、カッターで深く切り込みを入れると、その防水紙まで切ってしまうリスクがあるからです。このように「構造上、撤去が危険な箇所」については、増し打ちが最善の策となります。

しかし、一般的な外壁目地(板間目地)において、増し打ちはリスクを伴います。新しいシーリング材の厚みを十分に確保できない場合が多く、すぐに剥がれてしまう可能性があるからです。シーリングは厚みがあるほど耐久性が増しますが、増し打ちでは既存のシーリングが邪魔をして、薄い膜のような仕上がりになりがちです。増し打ちが向いているのは、「前回の工事から日が浅く、既存シーリングがまだ弾力を保っている場合」や「予算の都合で応急処置的に済ませたい場合」に限られると考えておいた方が良いでしょう。

打ち替え工法の特徴と向いているケース

「打ち替え(うちかえ)」とは、既存のシーリング材をカッターやペンチを使って完全に撤去し、目地の中を清掃してから、新しいシーリング材を充填する工法です。

この工法のメリットは、シーリングの機能を「新品同様にリセットできる」点にあります。目地の深さをしっかりと確保できるため、メーカーが推奨する規定の厚みでシーリングを打つことができ、本来の耐久性と防水性を発揮させることができます。また、既存のシーリングと新しいシーリングの相性(接着不良)を気にする必要もありません。

デメリットは、やはり「費用と手間がかかる」ことです。ALCの目地は総延長が長いため、全ての目地を撤去する作業は非常に重労働であり、職人の人工(にんく)がかかります。また、撤去した大量のゴム廃材の処分費も発生します。そのため、増し打ちに比べてm単価は高くなります。

しかし、長期的なコストパフォーマンス(ライフサイクルコスト)で考えると、ALCの目地(特に板間の継ぎ目)に関しては、打ち替えが圧倒的におすすめです。中途半端な増し打ちをして数年でまたひび割れてしまうよりも、費用をかけてしっかり打ち替えることで、10年〜15年という長い期間、建物を守ることができるからです。特に、築10年以上経過して初めてのメンテナンスを行う場合や、既存のシーリングが硬化してボロボロになっている場合は、迷わず打ち替えを選択すべきです。ALC住宅を長く維持するためには、ここでの投資を惜しまないことが重要です。

ALC目地シーリングの費用はどう決まる?

見積もりの合計金額は、単に「m単価」だけで決まるわけではありません。足場の有無や使用する材料など、複数の条件が重なって算出されます。ここでは、費用構成の全体像を把握しましょう。

m単価以外に影響する5つの要素

シーリング工事の総額を左右するのは、以下の5つの要素です。見積もりが高い、あるいは安いと感じた場合、これらの条件がどう設定されているかを確認してください。

  1. 目地の総延長(m数)これが最も大きな要因です。ALC住宅はサイディング住宅に比べて目地が多いため、同じ坪数の家でも工事費は高くなります。正確な図面計測や実測による数量算出が必要です。
  2. 目地幅と深さ(シーリング材の使用量)目地が広い、あるいは深い場合、それだけ多くのシーリング材(カートリッジやペール缶)を消費します。材料費が増えるため、標準単価よりも割増になることがあります。
  3. 既存撤去の有無(工法)前述の通り、増し打ちか打ち替えかで費用が変わります。全ての目地を打ち替えるのか、サッシ廻りだけ増し打ちにするのかといった内訳も重要です。
  4. 使用材料のグレード一般的な変成シリコンと、期待耐用年数20年以上の高耐久シーリング材(オートンイクシード等)では、材料単価が異なります。また、2液型(硬化剤を混ぜるタイプ)か1液型(カートリッジタイプ)かによっても施工費が変わります。
  5. 足場・付帯工事シーリング工事は高所作業となるため、2階建て以上の場合は基本的に足場の設置が必須です。足場代は15万〜25万円程度かかるため、外壁塗装とセットで行うのが合理的です。

これらの要素が複雑に絡み合うため、「坪いくら」という単純な計算では正確な費用が出せません。特にALCの場合は、窓の数や建物の形状によってm数が大きく変わるため、現地調査なしの概算見積もりはあまり当てにならないことを覚えておきましょう。

戸建て住宅の場合の総額イメージ

では、実際に一般的な戸建て住宅(30坪・2階建て・ALC外壁)でシーリング工事を行う場合、総額はどのくらいになるのでしょうか。あくまで目安ですが、具体的な数字でイメージしてみましょう。

ALC住宅の場合、30坪程度でも目地の総延長は300m〜500m近くに達することがあります(サイディングの場合は150m〜200m程度)。ここでは、目地延長を400mと仮定し、全て打ち替えで施工する場合と、一部増し打ちを併用する場合を比較します。

項目条件設定(例)概算費用(税抜)
足場架設飛散防止ネット込み150,000円〜200,000円
シーリング工事(全打ち替え)400m × @1,000円400,000円
諸経費現場管理費など30,000円〜50,000円
合計約58万〜65万円

もし、縦目地(板間)だけ打ち替え(300m)、サッシ廻りを増し打ち(100m)にした場合、シーリング工事費が少し下がり、合計で50万円〜55万円程度になるかもしれません。

これに外壁塗装工事(60万〜100万円程度)が加わると、ALC住宅の外壁リフォーム総額は110万〜160万円程度になるのが一般的です。サイディング住宅に比べて、シーリング工事のウェイト(比率)が非常に高いのがALCの特徴です。「塗装の見積もりだと思っていたら、3分の1がシーリング代だった」というのは、ALC住宅ではよくある話です。しかし、この費用を削ると建物の寿命に関わるため、必要経費として割り切ることが大切です。

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見積書でチェックすべきポイント

手元にある見積書が適正かどうかを見極めるためには、金額だけでなく「記載内容」の解像度を確認する必要があります。悪質な業者や知識不足の業者を見抜くためのチェックポイントを解説します。

見積書で見るべき3つの項目

見積書を受け取ったら、以下の3点が明確に記載されているかを確認してください。

  1. 工法が明記されているか?単に「シーリング工事 一式」となっていたり、「シーリング工事 ○○円/m」としか書かれていない場合は要注意です。「撤去・打ち替え」「増し打ち」のどちらを行うのか、あるいは「板間は打ち替え、サッシ廻りは増し打ち」と部位ごとに明記されているかを確認しましょう。これが曖昧だと、現場の判断で勝手に増し打ちにされてしまうリスクがあります。
  2. m数の根拠は確かか?「一式」見積もりは論外ですが、m数が極端に少ない(例えばALCなのに150mなど)場合も注意が必要です。安く見せるために数量を少なく見積もり、工事が始まってから「足りない」と追加請求してくるケースや、目につく場所しか施工しないケースがあります。図面から算出したのか、実測したのかを聞いてみましょう。
  3. 材料名・メーカー・仕様使用するシーリング材の商品名(例:オートンイクシード、サンライズ、変成シリコンNBなど)が記載されているかを確認します。「高性能シーリング材」といった曖昧な表現ではなく、具体的な商品名を知ることで、その適正価格や耐久年数を自分で調べることも可能になります。

単価だけで判断してはいけない理由

「A社は単価1,200円、B社は800円だからB社にしよう」という判断は、ALCのシーリング工事において最も失敗しやすいパターンです。なぜなら、単価の安さは多くの場合「工程の省略」によって生み出されるからです。

例えば、ALCのような多孔質の素材にシーリングを打つ際、最も重要なのは「プライマー(接着剤)」の塗布です。これを十分に塗布し、適切な乾燥時間を置くことで初めてシーリング材は外壁に密着します。安い単価で請け負う業者は、高価なプライマーを薄めたり、塗布量を減らしたりして材料費を浮かせ、さらに作業時間を短縮しようとします。その結果、施工直後は綺麗に見えても、半年もしないうちに界面剥離(外壁とシーリングの間が剥がれること)を起こすことがあります。

また、古いシーリングの撤去作業も、丁寧にやればやるほど時間がかかります。ALCの表面を傷つけずに、目地の奥に残った薄いゴムまで綺麗に取り除くのは熟練の技術と根気が必要です。極端に安い業者は、取りやすい部分だけ取って、残ったゴムの上から施工してしまうことがあります。

このように、単価の差は「品質の差」に直結します。「相場より少し高いけれど、施工内容が詳細に書かれている業者」と「相場よりかなり安く、一式表記が多い業者」であれば、間違いなく前者を選ぶべきです。数万円の差を惜しんで、数年後に数十万円の補修費がかかる事態は避けるべきだからです。

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ALC目地シーリングは塗装と同時がベストな理由

最後に、ALCのシーリング工事を行うタイミングについてです。結論から言うと、シーリング工事単体で行うのではなく、外壁塗装工事とセットで行うのがベストです。その技術的な理由と経済的なメリットを解説します。

シーリング→塗装の正しい順序

ALC外壁のメンテナンスにおける黄金ルールは、「シーリング工事を先に行い、その上から塗装する(先打ち)」ことです。

通常のサイディングの場合、色付きのシーリング材を塗装後に打つ「後打ち」も一般的ですが、ALCの場合は「先打ち」が基本です。理由は、シーリング材を塗膜で覆うことで、紫外線による劣化を防ぐことができるからです。シーリング材は紫外線に弱く、剥き出しの状態だと5年〜10年でひび割れてきます。しかし、上から外壁用塗料(シリコンやフッ素など)でコーティングしてしまえば、紫外線が直接当たりにくくなり、シーリング材の寿命を大幅に延ばすことができます。

また、シーリング材に含まれる可塑剤(かそざい)という成分が染み出して塗膜を汚す「ブリード現象」を防ぐため、「ノンブリード(NB)タイプ」のシーリング材を使用し、さらに塗装で保護するという工程が、ALCメンテナンスの標準仕様となります。このように、シーリングと塗装は互いに補完し合う関係にあるため、同時施工が最も理にかなっているのです。

別々に工事すると起きやすい問題

もし、「予算がないから今年はシーリングだけ」「とりあえず塗装だけ」と工事を分けた場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

まず、「足場代の二重払い」が発生します。シーリング工事も塗装工事も足場が必要です。別々に行えば、本来1回で済む足場代(約20万円前後)が2回分かかってしまい、非常にもったいないことになります。

次に、**「防水の不完全さ」**です。塗装だけを行っても、目地が切れていれば雨水は侵入し、せっかくの新しい塗膜を内側から剥がしてしまいます。逆にシーリングだけを行っても、ALCパネル自体の表面防水が切れていれば、パネルからの吸水は止まりません。ALC外壁は「面(パネル)と線(目地)の両方で防水する」という構造であるため、片方だけ直しても完全なメンテナンスにはならないのです。

費用面でも品質面でも、ALC外壁は「シーリング打ち替え+外壁塗装」を1つのパックとして考え、10年〜15年周期で計画的に行うのが、家計にとっても建物にとっても最良の選択と言えます。

コラムのまとめ

ALC外壁における目地シーリング工事は、建物の寿命を左右する極めて重要な工程です。単価や相場を知ることは大切ですが、それ以上に「ALCという構造に適した工事内容かどうか」を見極める視点が必要です。

  • ALCのm単価相場:増し打ちは500〜900円、打ち替えは900〜1,500円程度が目安。安すぎる単価には手抜きのリスクがある。
  • ALCの特性:目地が命綱であり、二次防水がないため、シーリング切れは即雨漏りリスクにつながる。
  • 工法の選択:基本は「打ち替え」で耐久性を確保し、サッシ廻りなど構造上リスクのある箇所は「増し打ち」を検討する。
  • 費用の変動要因:m数(総延長)の長さ、目地の深さ、使用材料のグレードによって総額は大きく変わる。
  • 見積もりの見方:「一式」ではなく、m数や工法が明記されているか確認する。
  • 施工タイミング:足場代の節約と防水効果の最大化のため、外壁塗装との同時施工が必須。

ALC住宅はメンテナンスさえ適切に行えば、非常に長持ちする素晴らしい建物です。目先の価格だけでなく、10年後、20年後の安心を見据えた工事を選びましょう。

外壁塗装やシーリングはタイミングが重要

ALC外壁の目地は、季節や気温の変化による膨張・収縮を繰り返しながら、日々家を守っています。「まだ大丈夫かな?」と思っている間にも、目に見えない劣化は進行しています。特にシーリングのひび割れや硬化は、雨漏り予備軍のサインです。

しかし、いきなり業者を呼ぶのはハードルが高いと感じる方も多いはずです。そこで、まずはご自宅の劣化状況や坪数から、適正な工事費用の目安を知ることから始めてみませんか?

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