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金属屋根塗装の単価はいくら?㎡単価の相場と費用内訳、後悔しない判断ポイントを徹底解説

金属屋根(ガルバリウム鋼板・トタン・ステンレス等)は、軽量で耐久性が高いことから多くの住宅で採用されていますが、いざメンテナンスを行おうとした際、塗装費用の適正価格が分かりづらいという声をよく耳にします。「業者によって見積もりの金額が全然違う」「㎡単価の相場はいくらなのか」「この見積もりは高すぎるのではないか」といった疑問や不安を抱えながら検索される方が非常に多いのが現状です。

本記事では、金属屋根塗装における「単価相場」はもちろん、なぜその金額になるのかという「費用の仕組み」、そして見積もり比較で「失敗しないための考え方」までを、専門的な視点から体系的に解説します。安さだけで選んで失敗しないためにも、正しい知識を身につけましょう。

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金属屋根塗装の「単価」とは?まず知っておくべき基本

金属屋根の塗装工事を検討する際、多くの人がまず目にするのがチラシやホームページに記載された「㎡単価」です。しかし、この数字だけを追ってしまうと、実際の工事品質や総額とのギャップに驚くことになります。ここでは、単価に含まれる要素と、屋根の種類による違いについて、根本的な考え方を解説します。

金属屋根塗装における「㎡単価」の考え方

塗装工事における「㎡単価」とは、単に「ペンキを塗る作業代」だけを指すわけではありません。一般の方が見積書を見たとき、㎡単価が「塗料そのものの価格」だと思われがちですが、実際にはその中には職人の技術料(人件費)、塗料の材料費、塗装に必要な道具代、そして業者の運営経費などが複雑に含まれています。

例えば、「シリコン塗料:2,000円/㎡」という表記があった場合、そこには以下のプロセスが含まれていると考えるべきです。まず、塗装面を整えるための清掃や、塗料の飛散を防ぐ養生作業の手間賃が含まれます。次に、下塗り(プライマー・錆止め)、中塗り、上塗りという「3回塗り」が基本となる工程において、それぞれの段階で乾燥時間を設け、適切な膜厚を確保するための職人の拘束時間が考慮されます。特に金属屋根の場合、表面がツルツルしていることが多いため、塗料を密着させるための技術力が必要となり、それが単価に反映されます。

また、「単価だけを単純比較する危険性」についても理解しておく必要があります。A社が2,000円、B社が1,500円だったとして、単純にB社がお得とは限りません。B社はもしかすると、本来必要な下塗りの工程を省いていたり、塗料を既定の希釈率以上に薄めて使っていたりする可能性があるからです。あるいは、職人のランクを下げて人件費を削っているかもしれません。逆にA社が高い理由は、より高品質な錆止め塗料を使用していたり、メーカー保証が出る正規の工法を遵守していたりするからかもしれません。

つまり、㎡単価は「工事の質」を数値化したものとも言えます。適正な単価には、家を長持ちさせるために必要な工程と材料費が正しく積み上げられています。安すぎる単価には、必ずどこかに「削減された理由」が存在します。見積もりを見る際は、単価の数字だけでなく「その単価の中に、どのような作業工程と品質が含まれているのか」を内訳として確認する視点を持つことが、後悔しない塗装工事への第一歩となります。

金属屋根の種類によって単価が変わる理由

「金属屋根」と一口に言っても、その素材や形状は多岐にわたり、それぞれ塗装の難易度や必要な塗料の量が異なります。これが、同じ「金属屋根塗装」であっても、屋根の種類によって単価や総額が変動する大きな理由です。

代表的な金属屋根材である「ガルバリウム鋼板」は、現在最も普及している金属屋根です。アルミニウムと亜鉛の合金メッキが施されており、非常に錆びにくいのが特徴ですが、塗装の際は塗料の付着を良くするための下地処理(目荒らし)が重要になります。表面がフラットな形状のものが多いため、ローラーでの施工が比較的スムーズに進む傾向があり、標準的な単価で収まりやすい屋根材です。

一方、昔ながらの「トタン屋根(亜鉛メッキ鋼板)」は、現在の住宅でも多く残っていますが、ガルバリウムに比べて錆びやすいため、より入念な錆落とし(ケレン作業)が必要になります。錆が進行している場合は、強力な錆止め塗料を厚く塗る必要があり、その分材料費や手間賃が上乗せされることがあります。また、トタン屋根に多い「瓦棒葺き」という形状は、凸凹が多く、ローラーだけでなく刷毛を使って細かい部分を塗り込む必要があるため、施工時間が長くなり、労務単価が上がりやすくなります。

さらに、工場や倉庫、一部の住宅で使用される「折板(せっぱん)屋根」は、波状の形状をしており、平面に見える面積よりも実際の塗装面積(表面積)が非常に大きくなります。図面上の屋根面積に対して、係数を掛けて塗装面積を算出するため、見積もりの数量が多くなりがちです。ボルト部分のキャップ交換や、特殊な錆止め処理が必要になるケースも多く、これらが単価や総費用に影響を与えます。

このように、屋根材の形状や性質によって「塗りやすさ」や「必要な下地処理」が異なるため、一概に㎡単価だけで比較することはできません。ご自宅の屋根がどのタイプなのかを把握し、その屋根材に適した施工を行う場合の相場を知ることが大切です。

【屋根材別 特徴と塗装難易度比較】

屋根材の種類特徴塗装の難易度・注意点単価への影響
ガルバリウム鋼板耐久性が高く、現在の主流。塗料の密着性を確保するための「目荒らし」が必須。標準的だが、下地処理の手間が含まれる。
トタン屋根安価だが錆びやすい。古い住宅に多い。錆の除去(ケレン)に時間がかかる。凸凹が多い形状だと手間増。錆の進行度により、下地処理費が変動しやすい。
折板屋根強度が高い。波型の形状。表面積が広く、ボルト部分の処理など細かい作業が多い。塗装面積が増えるため、総額に影響しやすい。

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金属屋根塗装の㎡単価相場【塗料別】

塗装工事の費用を最も大きく左右するのが「塗料のグレード」です。どの樹脂成分を主成分とした塗料を使うかによって、耐久年数と単価は比例して変動します。ここでは、現在主流となっている塗料の種類ごとの単価相場と、近年需要が高まっている遮熱・断熱塗料について解説します。

ウレタン・シリコン・フッ素塗料の単価目安

金属屋根塗装に使用される塗料は、主にアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機などに分類されますが、屋根塗装において現在アクリル塗料が使われることはほとんどありません。耐久性が低く、過酷な屋根環境に適さないためです。実質的な選択肢となるのは、ウレタン以上のグレードとなります。

まず「ウレタン塗料」ですが、これはかつての主流でした。塗膜が柔らかく密着性が高いため、木部や塩ビ管などの付帯部には今でもよく使われます。しかし、紫外線による劣化に比較的弱く、屋根に使用した場合の耐用年数は5〜7年程度です。㎡単価は1,500円〜2,000円前後と安価ですが、足場代などを考慮すると塗り替えサイクルが早いため、長期的なコストパフォーマンスは決して良くありません。

次に、現在のスタンダードである「シリコン塗料」です。価格と耐久性のバランスが最も優れており、多くの業者が標準仕様として提案します。耐用年数は8〜12年程度、㎡単価は2,000円〜3,000円前後が相場です。シリコン樹脂は紫外線に強く、汚れにくい性質を持っているため、金属屋根の美観を長く保つのに適しています。特にこだわりがなければ、シリコン塗料を選んでおけば大きな失敗はないと言えるでしょう。ただし、シリコン塗料の中にも水性と油性(溶剤)、1液型と2液型などの種類があり、金属屋根には錆止め効果の高い「弱溶剤2液型」のシリコン塗料が推奨されます。

そして、ワンランク上の耐久性を求めるなら「フッ素塗料」です。東京スカイツリーなどの鉄骨塗装にも使われるほど耐久性が高く、耐用年数は15〜20年に及びます。㎡単価は3,500円〜4,500円前後と高額になりますが、一度塗れば長期間メンテナンスが不要になるため、将来的な塗り替え回数を減らしたい方に向いています。頻繁に足場を組むことが難しい立地の家や、トータルコストを抑えたい場合に有効な選択肢です。

さらに近年では、フッ素を超える「無機塗料」も登場しており、20年以上の耐久性を誇りますが、単価は5,000円〜とさらに高くなります。どの塗料を選ぶかは、「あと何年その家に住むか」「初期費用を抑えたいか、トータルコストを抑えたいか」というライフプランに合わせて決定することが重要です。

【塗料グレード別 単価・耐用年数比較表】

塗料グレード㎡単価の相場耐用年数の目安コストパフォーマンス・特徴
ウレタン1,500円〜2,000円5〜7年初期費用は安いが、塗り替え頻度が高い。現在はあまり推奨されない。
シリコン2,000円〜3,000円8〜12年【標準】 価格と耐久性のバランスが良く、最も選ばれている。
ラジカル2,500円〜3,200円10〜14年シリコンと価格差が少なく、耐久性が高い新技術の塗料。
フッ素3,500円〜4,500円15〜20年高価だが非常に長持ち。長期的な維持費を抑えたい方向け。
無機4,500円〜5,500円20年〜最高クラスの耐久性。紫外線劣化に極めて強い。

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遮熱・断熱塗料を使った場合の単価

金属屋根は、スレートや瓦などの他の屋根材に比べて「熱伝導率が高い」という特徴があります。つまり、夏場の直射日光を受けると屋根の表面温度が急激に上昇し、その熱が室内に伝わりやすいため、2階の部屋が蒸し風呂のようになってしまうのです。このような金属屋根特有の悩みを解決するために選ばれているのが「遮熱塗料」や「断熱塗料」です。

「遮熱塗料」は、太陽光(赤外線)を効率よく反射させることで、屋根の表面温度の上昇を抑える機能を持っています。一般的なシリコンやフッ素塗料に遮熱機能が付加されたものが多く、メーカーの実験データでは屋根表面温度を10〜15℃程度下げる効果が報告されています。これにより、室内温度の上昇も緩和され、エアコンの効きが良くなるなどの省エネ効果が期待できます。単価としては、通常のシリコンやフッ素塗料に比べて、㎡あたり300円〜800円程度高くなる傾向があります。しかし、夏場の光熱費削減や快適性の向上を考えると、十分に投資回収が見込める機能と言えます。

一方、「断熱塗料」は、熱を反射するだけでなく、熱の伝わりそのものを抑える層を作る塗料です。代表的なものに「ガイナ」などがあります。遮熱塗料よりもさらに高性能で、夏は涼しく、冬は室内の暖かさを逃がさない保温効果も期待できます。ただし、塗膜に厚みを持たせる必要があるため施工技術が求められ、材料費も高額になります。㎡単価の相場は4,000円〜6,000円前後となります。

これらの機能性塗料を選ぶ際の考え方として、「初期費用(イニシャルコスト)」と「維持費(ランニングコスト)」のバランスを見ることが大切です。通常の塗料よりも見積もり金額は高くなりますが、金属屋根の弱点である「暑さ」をカバーできる付加価値は非常に大きいです。特に、2階を寝室や子供部屋にしているご家庭や、日当たりが良すぎて夏場がつらいという場合には、単価が上がっても遮熱・断熱塗料を採用するメリットは大きいでしょう。

金属屋根塗装の総額はいくら?面積別シミュレーション

単価の相場が分かっても、「結局、我が家の場合は総額いくらになるの?」という点が最も気になるところです。屋根塗装の総額は、屋根の面積によって大きく変わります。ここでは、一般的な住宅の坪数を例に、費用の総額シミュレーションを行います。ただし、これらはあくまで目安であり、実際の屋根の形状によって変動することを念頭に置いてください。

30坪・40坪住宅の費用目安

まず、費用を算出するためには「塗装する屋根の面積」を知る必要があります。ここで注意が必要なのが、「延床面積(建坪)=屋根面積ではない」ということです。例えば、1階と2階の床面積が同じ「総二階」の家と、1階が広く2階が狭い家では、延床面積が同じでも屋根の面積は全く異なります。また、屋根の勾配(傾斜)がきついほど、実際の屋根面積は広くなります。

一般的に、簡易的な計算として「1階の床面積 × 係数(1.2〜1.5)」などで屋根面積を算出することが多いですが、ここでは平均的な30坪(約100㎡)と40坪(約132㎡)の2階建て住宅を想定して解説します。

【30坪の住宅の場合】 屋根面積が約60㎡〜80㎡程度と想定されます。

  • シリコン塗料を使用した場合:総額 40万円〜60万円程度
  • フッ素塗料を使用した場合:総額 50万円〜75万円程度

【40坪の住宅の場合】 屋根面積が約80㎡〜100㎡程度と想定されます。

  • シリコン塗料を使用した場合:総額 50万円〜70万円程度
  • フッ素塗料を使用した場合:総額 60万円〜85万円程度

この金額の幅は、屋根の劣化状況や付帯工事の有無によるものです。30坪前後の住宅であれば、屋根塗装単体で100万円を超えることは稀です(カバー工法などを除く)。もし、一般的なシリコン塗装で100万円近い見積もりが出た場合は、相場よりかなり高いか、屋根面積の算出が過大である可能性があります。逆に30万円台など安すぎる場合も、必要な工程が抜けていないか確認が必要です。

【住宅規模別 金属屋根塗装の想定費用一覧】 (※シリコン塗料使用・足場代込みの概算)

建坪(延床)想定屋根面積費用相場(税込)
20坪40〜50㎡35〜50万円
30坪60〜80㎡40〜60万円
40坪80〜100㎡50〜70万円
50坪100〜120㎡60〜85万円
60坪以上120㎡〜75万円〜

【自宅の正確な費用を知りたい方へ】 坪数だけでなく、現在の劣化状況や希望する工事内容によって総額は変わります。 相場とのズレがないか、まずはシミュレーションで適正価格を確認しましょう。

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「単価×面積」では決まらない理由

「屋根面積が80㎡で、単価が2,500円なら、20万円でできるのでは?」と計算される方がいますが、実際の見積もり総額はそう単純ではありません。塗装工事には、「塗る作業」以外にも絶対に欠かせない費用が発生するからです。

最も大きなウェイトを占めるのが「足場費用」です。屋根塗装を行うには、職人の安全確保と施工品質の維持、そして近隣への塗料飛散防止のために、建物の周囲に足場を組み、メッシュシートで覆う必要があります。一般的な2階建て住宅で、足場代だけで15万円〜25万円程度かかります。これは塗装面積に関わらず、建物の外周の長さや高さによって決まる固定費のようなものです。そのため、屋根塗装単体で行うよりも、外壁塗装と同時に行って足場代を一度で済ませる方が、トータルコストでお得になるというのはこのためです。

次に「高圧洗浄費」です。長年蓄積した苔やカビ、汚れを洗い流さずに塗装しても、すぐに剥がれてしまいます。この洗浄作業にも単価(200〜300円/㎡程度)がかかります。また、金属屋根特有の「ケレン作業(錆落とし・目荒らし)」も重要です。電動工具や手作業で古い塗膜や錆を削り落とす作業は、手間がかかるため別途費用として計上されるか、塗装単価に含まれる形で計算されます。

さらに「諸経費」や「付帯作業費」もあります。現場までの交通費、廃材処理費、現場管理費などが含まれます。また、屋根だけでなく、破風板(はふいた)や鼻隠し、雨樋といった屋根に付随する部分も同時に塗装する場合は、その分の費用も加算されます。これらを全て積み上げたものが「総額」となります。したがって、チラシの「パック料金」などで安さをアピールしている場合でも、足場代が含まれていなかったり、付帯部塗装が別料金だったりすることがあるため、必ず「コミコミ価格」なのかどうかを確認することが重要です。

金属屋根塗装の単価を左右する5つの要因

同じ屋根面積、同じ塗料を使っても、Aさんの家とBさんの家で費用が違うことは珍しくありません。これは、現場ごとの状況によって作業の手間や難易度が変わるためです。ここでは、見積もりの金額を左右する、現場特有の5つの要因について深掘りします。

下地処理(ケレン・サビ止め)の有無

金属屋根塗装において、最も重要であり、かつ費用を変動させる要因が「下地処理」です。専門用語で「ケレン(素地調整)」と呼ばれます。このケレン作業には、錆の進行度合いに応じて1種から4種までのグレードが存在します。

一般住宅の塗り替えで主に行われるのは「3種ケレン」または「4種ケレン」です。4種は清掃や目荒らし程度の軽い処理ですが、3種になると、活膜(生きている塗膜)は残しつつ、錆びている部分や剥がれかけた塗膜を工具を使って徹底的に除去します。もし屋根全体に赤錆が広がっているような状態であれば、より手間のかかるケレン作業が必要となり、㎡単価にケレン代が上乗せされるか、別途「ケレン一式」として数万円〜十数万円の費用が発生します。

また、「サビ止め塗料」の種類や塗装回数も単価に影響します。通常の工程では、下塗りとしてサビ止めを1回塗りますが、海沿いの地域や錆がひどい場合には、サビ止めを2回塗る仕様にしたり、より高価な2液型のエポキシ樹脂サビ止めを使用したりします。この「見えなくなる下地部分」にお金をかけられるかどうかが、塗装の持ちを決定づけます。

ここを削って安く見せる業者は非常に危険です。ケレンをおろそかにして上から高級なフッ素塗料を塗ったとしても、錆の進行は止まらず、わずか数年で内側から塗膜が剥がれてくる「施工不良」の原因となります。見積もりの単価が高いと感じた場合、それが「入念な下地処理代」を含んでいるのであれば、それはむしろ信頼できる業者である可能性が高いと言えます。

屋根の劣化状況・施工条件

屋根そのものの状態や、建物の立地条件も単価に大きく関わります。まず、屋根の「勾配(傾斜)」です。金属屋根は水はけを良くするために急勾配になっていることが多々あります。傾斜がきつい(一般的に6寸勾配以上)と、職人が屋根の上に立って作業することが困難で危険なため、「屋根足場」という追加の足場を屋根上に設置する必要があります。この屋根足場が必要になると、足場費用がさらに10万円〜15万円ほど追加されることになります。

次に、屋根材の劣化状況です。塗装で対応できるレベルを超えて、穴が空いていたり、屋根材そのものが変形して浮いていたりする場合は、塗装の前に板金工事による補修が必要になります。コーキングによる穴埋め補修程度なら数万円で済みますが、板金の交換が必要な場合は別途見積もりとなります。

また、立地条件も無視できません。トラックを停めるスペースがなく、離れた駐車場から重い塗料や機材を手運びしなければならない場合や、隣家との隙間が狭すぎて足場の設置に特殊な部材が必要な場合などは、「運搬費」や「狭小地割増」といった名目で費用が加算されることがあります。3階建ての場合も、足場の高さが増えるため費用は上がります。

このように、塗装の単価は「現場を見なければ正確に出せない」というのが本音です。電話やネットだけの概算見積もりが当てにならないのは、こうした現場ごとの「施工条件」が反映されていないからです。正確な費用を知るためには、必ず現地調査を依頼し、屋根の状態や立地条件をプロの目で見てもらう必要があります。

見積書で見るべき「単価チェックポイント」

手元に届いた見積書が適正かどうか、一般の方が判断するのは難しいものです。しかし、いくつかのポイントを押さえておくことで、悪質な業者や手抜き工事のリスクを回避することができます。ここでは、見積書を見る際に必ずチェックすべき項目と、安すぎる見積もりの裏側について解説します。

適正な見積に必ず入る項目とは

信頼できる業者の見積書は、具体的で詳細です。まず確認すべきは、塗装の工程が「下塗り」「中塗り」「上塗り」と明確に分かれて記載されているかという点です。金属屋根の場合、下塗りは「錆止め」と表記されることが多いですが、これが中塗り・上塗りとは別の行で、それぞれの使用塗料名と単価、数量(㎡数)が明記されている必要があります。

さらに、使用する塗料の「メーカー名」と「商品名」が具体的に書かれているかも重要です。単に「シリコン塗料」としか書かれていない場合、どこのメーカーのどのグレードの塗料か分からず、検証のしようがありません。日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研などの大手メーカーの製品名が記載されていれば安心材料の一つになります。

また、数量の欄が「一式」ばかりの見積もりには注意が必要です。「屋根塗装工事 一式 〇〇万円」という書き方は、どんぶり勘定の典型であり、後から「その作業は含まれていない」とトラブルになる元です。もちろん、ケレン作業や養生費など、面積で出しにくい項目は一式となることもありますが、メインとなる塗装面積や足場架面積に関しては、きちんとした実測値に基づいた数量が入っているべきです。

【良い見積・悪い見積 比較表】

チェック項目良い見積もりの特徴悪い見積もりの特徴
工程の表記下塗り(錆止め)、中塗り、上塗りが別々に記載されている。「シリコン塗装 一式」などとまとめられている。
塗料名「日本ペイント サーモアイSi」など商品名まで明記。「高級シリコン」「自社オリジナル塗料」など曖昧。
数量(㎡数)図面や実測に基づいた具体的な数字(例:85.5㎡)。ざっくりとした数字(例:100㎡)や「一式」表記。
下地処理ケレン作業、高圧洗浄が項目としてある。下地処理の項目がない、または無料サービスになっている。

単価が安すぎる見積に潜む落とし穴

複数の業者から見積もりを取った際、他社に比べて極端に安い見積もりが出てくることがあります。「安いに越したことはない」と思いがちですが、塗装工事において「相場より大幅に安い」ことには、必ず理由があります。

最も多い手口が「工程の省略」です。本来なら3回塗るべきところを2回で済ませたり、錆落とし(ケレン)を適当に済ませてそのまま塗ってしまったりするケースです。ケレンが不十分だと、どんなに良い塗料を塗ってもすぐに錆が再発し、塗膜が剥がれてしまいます。しかし、塗り終わった直後は綺麗に見えるため、素人には手抜きされたかどうかが分かりません。数年後にボロボロになって初めて気づくことになります。

次に「塗料の希釈(薄めすぎ)」です。塗料はメーカーによって、水やシンナーで薄める割合(希釈率)が厳格に決められています。しかし、規定以上に薄めれば、少ない缶数で広い面積を塗ることができ、材料費を浮かせることができます。当然、塗膜は薄くなり、本来の耐久性能は発揮されません。

また、「保証内容」が薄い場合もあります。安い業者はアフターフォローを行わず、施工後のトラブルに対応しない(連絡がつかなくなる)ケースも散見されます。適正価格には、施工後の安心や保証も含まれていると考えてください。「キャンペーンで足場代半額」「モニター価格で大幅値引き」といった甘い言葉で契約を急かしてくる業者にも注意が必要です。適正な利益を削ってまで安くするには、必ずどこかで品質を落とさなければ会社として成り立たないからです。

【見積もりの妥当性をチェック】 「この見積もり、本当に適正価格?」と不安な方へ。 他社の見積もりと比較するための基準として、シミュレーション結果をご活用ください。

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金属屋根は「塗装」と「カバー工法」どちらが得?

金属屋根のメンテナンス方法は、実は塗装だけではありません。既存の屋根の上から新しい屋根材を被せる「カバー工法(重ね葺き)」や、屋根材を新しく変える「葺き替え」という選択肢もあります。塗装の単価を調べている段階でも、屋根の状態によっては塗装以外の方法が適している場合があります。

塗装が向いているケース

「塗装」は、屋根メンテナンスの中で最も安価な方法です。塗装が適しているのは、屋根材そのものの寿命がまだ残っており、主な劣化症状が「表面の色あせ」「チョーキング(粉吹き)」「軽度な錆」である場合です。

金属屋根の場合、表面の塗膜が劣化して防水性が落ちてくると錆が発生し始めますが、穴が空くほどの腐食でなければ、適切なケレン処理と錆止め塗装によって機能を回復させることができます。築年数で言えば、10年〜20年程度で、過去に一度もメンテナンスをしていない、または前回の塗装から10年程度経過している段階であれば、塗装工事が最もコストパフォーマンスの良い選択となります。

予算を抑えて美観を取り戻したい、あと10年〜15年程度今の家に住めれば良い、という場合には塗装がベストな選択です。ただし、あくまで「現状の屋根材を保護する」工事であるため、屋根の形状を変えたり、耐震性を向上させたりする効果はありません。

カバー工法・葺き替えが必要なケース

一方で、塗装では対応できない、あるいは塗装をしてもすぐにダメになってしまうケースがあります。屋根材全体に激しい錆が広がり、所々に穴が空いている場合や、屋根を踏むとフカフカ沈むような下地の傷みがある場合は、塗装では直せません。この状態で塗装をしても、すぐに雨漏りが発生するリスクがあります。

このような場合に推奨されるのが「カバー工法」です。既存の金属屋根の上から、新しい軽量な金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を被せる工法です。廃材が出ないため「葺き替え」よりも安く済み、屋根が二重になることで断熱性や遮音性が向上するというメリットもあります。費用は塗装の2倍〜3倍(100万円〜200万円程度)かかりますが、耐用年数は20年〜30年と長く、今後の塗装メンテナンスが当分不要になります。

もし、築年数が30年以上経過していて、今後もその家に長く住み続ける予定であれば、5年〜10年おきに塗装を繰り返すよりも、一度カバー工法を行ってしまった方が、長期的なトータルコスト(生涯コスト)は安くなる可能性があります。「今回の出費を抑える」ことだけを考えるのではなく、「今後20年間でいくらかかるか」という視点で、塗装にするかカバー工法にするかを比較検討することをお勧めします。

コラムのまとめ

金属屋根塗装の単価について、相場から費用の内訳、見積もりの見極め方まで解説してきました。今回の記事の要点をまとめます。

  • 単価には「技術料」が含まれる:㎡単価は塗料代だけでなく、職人の手間賃や下地処理の費用が含まれた「工事品質の価格」である。安すぎる単価は手抜きのサインかもしれない。
  • 屋根の種類で費用が変わる:トタンは錆処理の手間がかかり、折板屋根は塗装面積が増える。自宅の屋根材に合った相場を知ることが大切。
  • 塗料選びはライフプランに合わせて:標準はシリコン(単価2,000〜3,000円)。長持ちさせたいならフッ素、暑さ対策なら遮熱塗料を選ぶ。
  • 総額は「単価×面積」だけではない:足場代、高圧洗浄費、付帯部塗装などの固定費が加わるため、全体予算で考える必要がある。
  • 下地処理(ケレン)が命:金属屋根は錆処理が最も重要。見積もりにケレン作業が適切に含まれているか必ずチェックする。
  • 「塗装」か「カバー工法」か:劣化が激しい場合や、長期的なコストを重視する場合は、塗装以外の選択肢も視野に入れる。

金属屋根塗装の費用は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、「単価の安さ」という目先の数字だけに惑わされず、その裏にある「工事の内容」や「業者の姿勢」を見極めることが重要です。適正な価格で、適切な施工を行えば、金属屋根は非常に長持ちする優秀な屋根材です。

相場を知った上で、「自分の家の場合はどうなのか」「どのプランが我が家の将来設計に合っているのか」を冷静に判断することが、失敗しない塗装リフォームの鍵となります。まずは複数の見積もりを取ったり、シミュレーションを行ったりして、比較検討することから始めてみましょう。

おわりに

金属屋根塗装は、屋根の状態や使用する塗料、そして施工環境によって費用が大きく変わります。 インターネット上の相場情報はあくまで目安であり、正確な金額を知るためには個別の条件を加味した計算が必要です。

相場や判断基準を知った今だからこそ、「自宅の場合は具体的にいくらかかるのか」を把握しておくことが、後悔しない塗装工事への第一歩です。 3分間のチャット入力で、屋根の種類や築年数をもとに無料の見積シミュレーションが可能です。

まだ検討段階の方でも問題ありませんので、予算組みの参考としてぜひお気軽にご活用ください。

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