1時間以内に、56人が料金診断しました
       スターくん
ざっくりいくらかかるの?
外壁塗装の相場を見てみる

【放置は危険!】外壁から水が滲み出る?原因と対策、放置リスクや修理費用をプロが徹底解説

外壁に水が滲み出ているのを見つけたら要注意です。雨も降っていないのに壁が濡れている、いつの間にかシミが広がっているといった症状は、普段は見えない外壁材の内側や建物の内部構造に、深刻なトラブルが起きているサインかもしれません。その原因は、経年劣化による雨漏りや壁内部の配管の破損、さらには室内外の温度差から生じる結露など、実にさまざまです。もしこのサインを見過ごしてしまうと、カビやシロアリによる健康被害や、建物の柱や土台といった構造体の腐食を招き、住まいの寿命を大きく縮めてしまうことにもなりかねません。本記事では、「外壁から水が滲み出る」という不安な症状に直面している方に向けて、考えられる主な原因とその見分け方、ご自身でできる応急処置、専門業者による修理の流れと費用相場、そして大切な住まいを長持ちさせるための予防策まで、外壁のプロが徹底的に解説します。

「うちの場合はいくらかかる?」とご不安な方へ

まずはご自宅の修理・塗装費用がどれくらいか、概算だけでも確認してみませんか?
3分で完了する無料シミュレーションをお試しください。

たった3分で外壁・屋根塗装の相場が分かる!

外壁から水が滲み出るときに考えられる原因

外壁から水が滲み出る、という現象は単一の原因で起こるとは限りません。複数の要因が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。まずは代表的な原因を正しく理解し、ご自宅の状況と照らし合わせることが、問題解決への第一歩です。ここでは、大きく分けて「外部からの水の侵入」と「内部からの水の発生」という2つの観点から、主な原因を詳しく見ていきましょう。

雨漏りや外壁の劣化

外壁から水が滲み出る原因として最も多く、またイメージしやすいのが「雨漏り」です。本来、住まいを守る鎧であるはずの外壁ですが、経年劣化によって防水機能が低下すると、雨水が内部に侵入する隙間が生まれてしまいます。特に注意すべきは「ひび割れ」「シーリングの劣化」「防水層(塗膜)の寿命」の3点です。

まず「ひび割れ(クラック)」です。外壁のひび割れは、その幅によって深刻度が異なります。幅0.3mm以下の「ヘアークラック」と呼ばれる髪の毛のような細いひび割れは、塗膜の経年劣化によるもので、すぐに雨漏りに直結するケースは少ないですが、劣化が始まっているサインとして注意が必要です。一方で、幅0.3mm以上の「構造クラック」は、建物の構造的な動きや歪みが原因で発生している可能性があり、深くまで達していることが多いため、雨水が侵入する通り道になりやすい危険な状態です。ひび割れから侵入した雨水は、毛細管現象によって内部へどんどん吸い上げられ、壁内の断熱材を濡らし、やがて室内の壁にまで到達します。

次に「シーリング(コーキング)の劣化」です。シーリングは、サイディングボードの継ぎ目や、窓・ドアのサッシ周りを埋めるゴム状の部材で、水の侵入を防ぐ防水の要です。このシーリングは紫外線や風雨に常にさらされているため、5年〜10年程度で劣化が始まります。劣化すると、弾力性が失われて硬くなり、「ひび割れ」や、痩せて細くなる「肉やせ」、壁との接着面が剥がれる「剥離」といった症状が現れます。ここに隙間ができると、雨水は簡単に内部へ侵入してしまいます。特にサッシ周りは雨水が集中しやすい場所のため、シーリングの劣化は雨漏りの主要な原因となります。

最後に「防水層の寿命」です。外壁塗装の塗膜は、単に建物を美しく見せるだけでなく、外壁材自体を雨水や紫外線から保護する「防水層」としての重要な役割を担っています。この塗膜が経年劣化すると、防水機能が著しく低下します。劣化のサインとしては、壁を手で触ると白い粉が付く「チョーキング現象」や、塗膜が膨れたり、剥がれたりする症状が挙げられます。これらのサインは、塗膜が寿命を迎え、外壁材を守る力が失われていることを示しています。防水機能が低下した外壁は、雨水を吸収しやすくなり、壁全体からじんわりと水が内部に滲み込んでいくのです。

給排水管の破損や結露

雨が降っていないにもかかわらず外壁が濡れている場合、建物の内部、特に壁の中を通っている給排水管のトラブルや、室内外の温度差によって生じる「結露」が原因である可能性が考えられます。これらは外部からの水の侵入とは異なり、問題が目に見えない壁の中で進行するため、発見が遅れやすいという特徴があります。

給排水管の老朽化・破損」は、築年数が経過した住宅で特に注意が必要です。壁の中には、キッチンやお風呂、トイレなどに水を供給する「給水管」、使用した水を排出する「排水管」、お湯を供給する「給湯管」などが通っています。これらの配管は、経年により腐食したり、接続部分のパッキンが劣化したりすることで、わずかな亀裂や穴から水が漏れ出すことがあります。特に、地震の揺れによって配管にダメージが加わったり、冬場の凍結によって配管が破裂したりすることも少なくありません。漏れ出した水は、壁の内部にある断熱材や木材を濡らし、やがて外壁や室内の壁にシミとなって現れます。もし、特定の場所だけが常に湿っている、水道を使っていないのにシューという音が聞こえる、水道メーターのパイロットが回り続けている、といった症状があれば、配管からの水漏れを強く疑うべきです。

もう一つの内部的な原因が「壁内結露(内部結露)」です。冬場に窓ガラスが水滴でびっしょり濡れる「表面結露」はよく知られていますが、それよりも厄介なのが壁の中で発生する壁内結露です。これは、室内の暖かく湿った空気が壁の内部に侵入し、外気で冷やされた外壁材の裏側などで急激に冷やされることで、空気中の水蒸気が水滴に変わる現象です。特に、近年の高気密・高断熱住宅では、室内の湿気が外に逃げにくいため、壁内結露のリスクが高まる傾向にあります。また、断熱材の施工不良や、換気不足も大きな原因となります。壁内結露によって発生した水分は、断熱材を濡らしてカビの温床となったり、柱や土台を腐らせたりする原因となり、気づかないうちに建物の耐久性を著しく低下させてしまう、非常に恐ろしい現象なのです。

放置すると起こるリスク

外壁から水が滲み出ているのを発見しても、「少し濡れているだけだから大丈夫だろう」と安易に考えて放置してしまうのは非常に危険です。そのわずかな水の滲みは、氷山の一角に過ぎません。壁の内部では、あなたの知らないうちに深刻な事態が進行している可能性があり、見て見ぬふりをすると、最終的には住まい全体とご家族の生活にまで深刻な影響を及ぼす可能性があります。

建物の構造へのダメージ

外壁から侵入した、あるいは内部で発生した水分を放置した場合に起こる最も深刻なリスクは、建物の骨格である「構造体」へのダメージです。日本の住宅で最も多い木造住宅の場合、柱や梁、土台といった主要な構造部材は木材でできています。木材は水分を含むと、木材腐朽菌が繁殖しやすくなり、文字通り「腐って」しまいます。腐食した木材は強度を失い、スカスカの状態になるため、建物の耐久性や耐震性が著しく低下します。普段は問題なくても、大きな地震が発生した際に倒壊するリスクが高まるなど、安全性が根底から脅かされるのです。

また、壁の中には断熱材が充填されていますが、グラスウールなどの繊維系の断熱材は、水分を含むと断熱性能が大幅に低下してしまいます。これにより、夏は暑く冬は寒い家になるだけでなく、さらなる結露を誘発するという悪循環に陥ります。

さらに、湿った木材はシロアリの大好物です。水分によって腐食が進んだ場所にシロアリが群がると、建物の構造体は加速度的に蝕まれていきます。シロアリ被害は床下だけでなく、壁の中を伝って建物全体に広がるため、気づいた時には大規模な修繕が必要になるケースも少なくありません。このように、たかが水漏れと侮っていると、家の寿命そのものを縮め、資産価値を大きく損なう結果につながるのです。

健康被害や生活への影響

建物の構造だけでなく、そこに住む人々の健康や生活にも悪影響が及びます。水分が壁の内部に滞留すると、カビが発生するための絶好の環境(温度・湿度・栄養分)が整います。壁紙の裏や断熱材、木材などに発生したカビは、目に見えない胞子を室内に放出し続けます。これらのカビの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患を引き起こしたり、悪化させたりする原因となります。特に、抵抗力の弱い小さなお子様やお年寄りがいるご家庭では、深刻な健康被害につながるリスクがあるため、注意が必要です。

また、カビは不快な臭いの原因にもなり、生活の質を大きく低下させます。さらに、カビを餌にするダニも繁殖しやすくなり、アレルギー症状をさらに悪化させる要因となります。

見過ごせないのが、漏電や火災のリスクです。壁の中には電気の配線が通っています。壁内が濡れることで配線やコンセント部分が浸水すると、漏電を引き起こす可能性があります。漏電は感電事故の原因になるだけでなく、漏電ブレーカーが頻繁に落ちて生活に支障をきたしたり、最悪の場合、ショートして火災が発生する危険性もあります。外壁からの水の滲みは、単なる建物の問題ではなく、ご家族の安全な暮らしを脅かす重大なリスクとなり得るのです。

今すぐできる応急処置

外壁からの水の滲みを発見した場合、根本的な修理は専門業者に依頼するのが鉄則です。しかし、業者が到着するまでの間にも、被害の拡大を最小限に抑えるためにご自身でできることがあります。パニックにならず、まずは落ち着いて状況を確認し、適切な応急処置を行うことが、その後の修理費用や工期にも影響します。ここでは、原因に応じて取るべき初動対応を解説します。

元栓を閉める・電化製品を避ける

雨が降っていないのに水が滲み出ている場合、壁内部の給排水管の破損が強く疑われます。このケースで最も優先すべき応急処置は、家全体の水の供給を止めることです。具体的には、敷地内にある水道メーターボックスの蓋を開け、中にある「止水栓(元栓)」のバルブを時計回りに回して閉めます。これにより、破損箇所からの水の供給が止まり、さらなる水漏れを防ぐことができます。マンションの場合は、玄関横のパイプスペースなどに各戸の止水栓があることが一般的です。

元栓を閉めると家中の水道が使えなくなりますが、被害の拡大を防ぐためには不可欠な措置です。元栓を閉めたら、速やかに水道修理の専門業者に連絡しましょう。

また、水が滲み出ている箇所の近くにコンセントや電化製品がある場合は、漏電のリスクを避けるために細心の注意が必要です。まず、ご家庭の分電盤(ブレーカー)で、該当する部屋の回路のブレーカーを落とします。その後、安全が確認できれば、電化製品のプラグをコンセントから抜いて、水がかからない安全な場所へ移動させてください。濡れた手でコンセントやプラグに触れるのは非常に危険ですので、絶対にやめましょう。これらの処置は、あくまで専門家が到着するまでの一次対応であることを忘れないでください。

防水テープ・吸水シートなどでの一時対応

原因が明らかに雨漏りであると推測される場合、これ以上の水の侵入を防ぎ、室内への被害を食い止めるための応急処置が有効です。

まず、外壁のひび割れやシーリングの切れ目など、水の侵入口が特定できる場合、市販の「防水テープ」を貼ることで一時的に水の侵入を防ぐことができます。作業の際は、テープを貼る箇所の汚れや水分を雑巾でよく拭き取り、乾燥させてから、空気が入らないようにしっかりと圧着するのがポイントです。ただし、高所での作業は転落の危険が伴うため、脚立を使っても届かないような場所は絶対に無理をせず、専門業者に任せるようにしてください。

室内側にまで水が染み出してきている場合は、床や家財を守ることが最優先です。水の滴下点にバケツや洗面器を置き、床には吸水シートや古いタオル、新聞紙などを敷き詰めて水分を吸収させましょう。ペット用の吸水シートやおむつなども、高い吸水性があるため役立ちます。壁を伝って水が流れている場合は、壁際にタオルを置いておくと、水が床全体に広がるのを防げます。

これらの方法は、あくまで被害の拡大を一時的に食い止めるための緊急措置です。防水テープを貼ったからといって雨漏りが直ったわけではありません。雨が止んだら、できるだけ早く専門業者に連絡し、根本的な原因調査と修理を依頼することが重要です。

専門業者に依頼するべきタイミングと修理方法

応急処置はあくまで一時しのぎです。外壁からの水の滲みという症状は、建物の構造に関わる専門的な問題であるため、根本的な解決にはプロによる正確な診断と適切な修理が不可欠です。どの段階で業者に相談すべきか、そしてどのような調査や修理が行われるのか、その全体像を把握しておくことで、安心して依頼することができます。

調査・診断の流れ

水の滲みを発見したら、できるだけ早い段階で専門業者に相談するのが賢明です。特に、原因が特定できない場合や、被害が広範囲に及んでいる場合は、迷わずプロの診断を仰ぎましょう。専門業者は、豊富な知識と経験、そして専門的な機材を用いて、水の侵入経路や原因を正確に特定します。

  • 1. ヒアリング・目視調査
    まず、業者はお客様から「いつから」「どのような症状が」「どこに」発生しているのかを詳しくヒアリングします。その後、建物の外周や室内を歩き、プロの目で劣化箇所をチェックします。ひび割れの幅や深さ、シーリングの劣化状態、塗膜のチョーキングや剥がれ、雨染みの有無などを丹念に確認し、原因の見当をつけます。
  • 2. 詳細調査(必要に応じて)
    目視だけでは原因の特定が難しい複雑なケースでは、より詳細な調査が行われます。
    • 散水調査: 雨漏りが疑われる箇所に、ホースなどで実際に水をかけて雨の日の状況を再現し、水の侵入経路を特定する調査です。原因箇所を突き止める上で非常に有効な方法です。
    • 赤外線サーモグラフィー調査: 建物表面の温度の違いを赤外線カメラで可視化する調査です。水を含んでいる部分は温度が低く表示されるため、建物を傷つけることなく、壁の内部にある水の浸入箇所や雨漏りの範囲を推定することができます。
    • ファイバースコープ調査: 壁に小さな穴を開け、内視鏡(ファイバースコープ)を挿入して、壁の内部や天井裏など、直接見ることができない場所の状態を確認します。断熱材の濡れ具合や木材の腐食などを直接観察できます。

これらの調査結果を総合的に分析し、業者は原因を特定した上で、写真付きの詳細な報告書と、最適な修理方法を記載した見積書を提出します。

修理・補修の方法と工事内容

調査によって特定された原因に基づき、最適な修理・補修工事が行われます。以下に代表的な工事内容を挙げます。

  • シーリング打ち替え工事:
    サイディングの目地やサッシ周りのシーリングが劣化した場合は、古いシーリングをカッターで全て撤去し、新たにシーリング材を充填する「打ち替え」工事を行います。既存のシーリングの上から重ねて充填する「増し打ち」という方法もありますが、耐久性の観点から、基本的には打ち替えが推奨されます。
  • ひび割れ補修工事:
    軽微なヘアークラックは、下地処理の一環としてフィラー(詰め物)を刷り込んで埋めます。0.3mm以上の構造クラックには、U字(またはV字)にカットして溝を広げ、シーリング材やエポキシ樹脂を充填して、水の再侵入を防ぎます。
  • 外壁塗装工事:
    塗膜の劣化による防水機能の低下が原因の場合、外壁全体の塗装工事が必要となります。高圧洗浄で汚れを落とし、ひび割れなどの下地補修を行った後、「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りを基本とします。下塗りは塗料の密着性を高め、中・上塗りで防水性や耐久性のある塗膜を形成します。
  • 配管修理工事:
    壁内部の給排水管が破損している場合は、破損箇所を特定し、その部分の壁や床を解体して配管を交換・修理する必要があります。比較的大掛かりな内装工事を伴うことが多いです。
  • 外壁の張り替え・カバー工法:
    外壁材自体の劣化が著しい、あるいは壁内部の腐食が深刻な場合は、既存の外壁を新しいものに交換する工事が必要になります。既存の外壁を撤去して新しい外壁材を張る「張り替え」と、既存の外壁の上から新しい外壁材を重ねて張る「カバー工法」があります。

これらの工事は、足場を設置して行われることが多いため、複数の劣化箇所がある場合は一度にまとめて修理することで、足場代を節約でき、結果的にトータルコストを抑えることができます。

修理費用の相場と費用を抑える工夫

外壁の修理となると、やはり気になるのが費用です。費用は、原因や劣化の程度、修理の範囲、建物の大きさなどによって大きく変動します。ここでは、原因別の費用目安と、少しでも費用を抑えるためのポイントについて解説します。事前に相場感を把握しておくことで、業者の見積もりが適正かどうかを判断する材料にもなります。

原因別の費用目安

以下に、修理内容ごとの費用相場を表にまとめました。ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、足場設置費用(30坪の住宅で15〜25万円程度)が別途必要になる場合が多い点にご注意ください。

修理・工事内容費用相場備考・工事内容
シーリング打ち替え900円~1,500円 / m既存シーリングの撤去、清掃、プライマー塗布、新規充填。足場代別途。
ひび割れ補修1万円~5万円 / 箇所ひび割れの規模や補修方法(フィラー、Uカットシーリング充填など)による。
外壁塗装(全体)80万円~150万円30坪程度の一般的な戸建て住宅の場合。使用する塗料のグレードで大きく変動。足場代込みの価格。
配管修理5万円~30万円以上破損箇所の特定、壁や床の解体・復旧作業の範囲による。
雨樋の修理・交換2万円~15万円部分的な補修か、全体の交換かによる。足場代別途。
外壁カバー工法150万円~300万円30坪程度の住宅。既存外壁の撤去費用がかからない。足場代込み。
外壁張り替え180万円~350万円30坪程度の住宅。既存外壁の撤去・処分費用が含まれる。足場代込み。

このように、部分的な補修であれば数万円で済むこともありますが、外壁全体のメンテナンスが必要になると100万円を超える大きな出費となります。放置して劣化が進行すればするほど、工事の規模が大きくなり、費用も高額になる傾向があります。早期発見・早期対応が、結果的に修理費用を抑えることに繋がるのです。

具体的な費用を知りたいですか?

上記の表はあくまで一般的な相場です。ご自宅の状況に合わせた、より正確な費用を知るために
まずは無料の見積もりシミュレーションをご利用ください。

たった3分で外壁・屋根塗装の相場が分かる!

保険適用や助成金活用の可能性

高額になりがちな修理費用ですが、火災保険や自治体の助成金を活用することで、自己負担を軽減できる可能性があります。諦める前に、一度ご自身の状況が該当しないか確認してみましょう。

  • 1. 火災保険の適用
    火災保険は火事だけでなく、自然災害による損害も補償の対象となる場合があります。
    • 風災・雹(ひょう)災・雪災補償: 台風で飛んできたものが当たって外壁が破損した、大雪の重みで雨樋が壊れた、といった自然災害が原因で水漏れが発生した場合、保険が適用される可能性があります。
    • 水濡れ補償: 壁内部の給排水管が突発的な事故で破損し、水漏れが起きた場合に適用される可能性があります。ただし、経年劣化による破損は対象外となることがほとんどです。
    保険を申請する際は、まず保険会社に連絡し、被害状況の写真や専門業者が作成した修理見積書、罹災証明書などを提出する必要があります。ただし、「保険金が使える」と謳って強引に契約を迫る悪質な業者も存在するため、業者選びは慎重に行いましょう。
  • 2. 自治体の助成金・補助金
    お住まいの地方自治体によっては、住宅リフォームに関する助成金や補助金の制度を設けている場合があります。特に、省エネ性能を高めるための断熱塗装や、ヒートアイランド対策となる遮熱塗装など、環境に配慮したリフォームが対象となることが多いです。制度の有無や内容、申請条件、受付期間は自治体によって異なるため、「(お住まいの市区町村名) リフォーム 助成金」などのキーワードで検索したり、自治体のホームページや窓口で確認したりすることをおすすめします。

賃貸住宅で「外壁から水が滲み出る」ときの対応

もし、お住まいが持ち家ではなく賃貸住宅(アパートやマンション、貸家)の場合、対応方法が異なります。自分で修理業者を手配する前に、必ず踏むべき手順があります。責任の所在を明確にし、トラブルを避けるためにも、正しい対応フローを理解しておきましょう。

大家・管理会社への連絡

賃貸住宅で外壁からの水の滲みや雨漏りを発見した場合、何よりも優先すべき行動は、大家さんまたは管理会社へ速やかに連絡・報告することです。自分で勝手に修理業者を呼んだり、修理を手配したりしてはいけません。建物の維持管理は、基本的に貸主(大家さん)の責任範囲だからです。

連絡する際は、以下の情報を正確に伝えられるように準備しておくとスムーズです。

  • いつから症状が出ているか(例:昨日の大雨の後から、数週間前からじわじわと、など)
  • どこから水が滲み出ているか(例:リビングの北側の壁、窓サッシの下あたり、など)
  • どのような状態か(例:壁紙にシミができている、ポタポタと水が垂れている、壁が湿っている、など)
  • 被害の状況(例:床が濡れてしまった、家電にかかりそう、など)

スマートフォンのカメラで、症状が出ている箇所の写真や動画を撮影しておくと、状況が伝わりやすくなります。電話で第一報を入れた後、証拠として残るようにメールや管理会社のアプリなどで写真と共に報告を送っておくと、後のトラブル防止にも繋がります。とにかく、発見したらすぐに報告することが、借主の義務であり、問題を迅速に解決するための第一歩です。

契約内容・修繕義務の確認

民法では、賃貸物件の修繕義務は原則として貸主(大家さん)にあると定められています(民法第606条)。経年劣化による外壁のひび割れや、建物の構造上の問題に起因する雨漏り、老朽化した配管からの水漏れなどの修繕費用は、大家さんが負担するのが一般的です。

ただし、借主(入居者)の「故意・過失」によって問題が発生した場合は、借主の責任となり、修繕費用を負担しなければならないケースもあります。例えば、「ベランダの排水溝(ドレン)の掃除を怠ったために水が溢れ、室内に浸水した」「壁に物を強くぶつけて穴を開けてしまい、そこから雨水が入るようになった」といった場合です。

また、借主には「善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)」があり、異常を発見したにもかかわらず、報告を怠ったことで被害が拡大してしまった場合、その拡大した部分について責任を問われる可能性もあります。

念のため、入居時に交わした賃貸借契約書を確認し、修繕に関する特約などが記載されていないかチェックしておきましょう。基本的には、まずは大家さん・管理会社に報告し、その後の対応(業者の手配や日程調整など)の指示を待つのが正しい流れとなります。

トラブルを防ぐための予防策

外壁からの水の滲みは、ある日突然起こるように見えて、実は長年の劣化が積み重なった結果であることがほとんどです。深刻なトラブルに発展する前に、日頃から建物の状態に関心を持ち、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが、住まいの寿命を延し、将来的な高額な修理費用を防ぐ最も効果的な方法です。ここでは、ご自身でできる予防策について解説します。

定期的な外壁点検とメンテナンス

プロでなくても、ご自身の目で確認できる劣化のサインは数多くあります。少なくとも年に1〜2回、できれば季節の変わり目などに、建物の周りを一周してセルフチェックを行う習慣をつけましょう。

【外壁セルフチェックリスト】

チェック項目確認するポイント劣化のサイン
外壁全体色あせ、汚れ、コケやカビの付着がないか。新築時より明らかに色が薄い、緑や黒の汚れが目立つ。
ひび割れ髪の毛程度の細いひび(ヘアークラック)や、0.3mm以上の構造クラックがないか。特に窓の四隅や、外壁の角に発生しやすい。
シーリングサイディングの目地やサッシ周りのシーリングに、ひび割れ、肉やせ、剥がれがないか。ゴム状の弾力がなく、硬くなっている。
塗装の状態塗膜が膨れていたり、剥がれたりしていないか。水ぶくれのような膨らみや、パリパリと剥がれている箇所。
チョーキング外壁の表面を手で軽くこすってみる。手にチョークのような白い粉が付く。

これらのサインは、外壁の防水機能が低下し始めている証拠です。一つでも当てはまるものがあれば、専門家による詳細な点検を検討するタイミングと言えるでしょう。一般的に、外壁材や使用されている塗料にもよりますが、10年〜15年に一度は外壁塗装などの本格的なメンテナンスを行うのが理想的です。プロによる定期点検を依頼することで、自分では気づけない高所の劣化や、専門的な知見が必要な問題の早期発見に繋がります。

雨樋・排水設備の清掃とチェック

見落としがちですが、外壁を雨水から守る上で非常に重要な役割を果たしているのが「雨樋(あまどい)」です。屋根に降った雨水を集め、適切に地面の排水溝へと流すことで、雨水が直接外壁に伝うのを防いでいます。

この雨樋に、落ち葉や砂、ゴミなどが詰まると、雨水がうまく流れずに溢れ出してしまいます。溢れた水は、軒天や破風板といった木部を腐食させたり、外壁の特定の部分に集中してかかり続けることで、その部分の劣化を早め、雨漏りの原因となったりします。

これを防ぐためには、定期的な清掃が不可欠です。特に、近くに高い木があるご家庭では、年に1〜2回(梅雨前や秋の落ち葉の季節の後など)は雨樋の中をチェックし、ゴミを取り除くようにしましょう。手の届く範囲であればご自身でも可能ですが、2階の屋根など高所の場合は転落の危険があるため、絶対に無理をせず専門業者に依頼してください。

清掃と合わせて、雨樋自体にひび割れや破損がないか、壁に取り付けている金具が緩んでいないかなどもチェックしましょう。雨樋を正常な状態に保つことは、外壁の健康を守るための重要なメンテナンスの一つなのです。

コラムのまとめ

この記事では、多くの方が不安に感じる「外壁から水が滲み出る」という症状について、その原因から対策、放置した場合のリスク、修理費用に至るまで、専門家の視点から包括的に解説してきました。

改めて重要なポイントを整理すると、外壁からの水の滲みは、主に「雨漏りや外壁の劣化」「壁内部の給排水管の破損」「壁内結露」という3つの原因によって引き起こされます。雨が降っていないのに濡れている場合は内部からの、雨の後に濡れる場合は外部からの水の侵入を疑いましょう。

そして、このサインを「まだ大丈夫」と放置してしまうと、建物の構造体(柱や土台)の腐食による耐震性の低下カビやシロアリの発生による健康被害、そして漏電や火災といった命に関わる危険へと発展する可能性があります。住まいの寿命と安全、そして資産価値を守るためにも、放置は絶対に避けるべきです。

もし水の滲みを発見したら、まずは慌てず、原因に応じた適切な応急処置(給排水管が原因なら元栓を閉める、雨漏りなら防水テープや吸水シートで被害拡大を防ぐ)を行い、できるだけ早く信頼できる専門業者に相談してください。プロによる正確な調査・診断こそが、根本的な解決への最も確実な道筋です。修理費用は決して安いものではありませんが、火災保険や自治体の助成金が活用できる場合もあります。何よりも、トラブルを未然に防ぐための定期的なセルフチェックと、計画的なメンテナンスが、結果的に住まいを長持ちさせ、トータルコストを抑える最善の策と言えるでしょう。

住まいのSOSサインを見逃さず、早めの専門家相談を

ここまで解説してきたように、外壁からの水の滲み出しは、大切なお住まいが発する重要なSOSサインです。原因の特定や適切な修理には専門的な知識と技術が不可欠であり、信頼できる専門業者に相談することが、安心への第一歩と言えるでしょう。

スターペイントでは、年間3,000件以上の施工実績を誇る経験豊富なプロが、ドローンなども活用した精密な外壁・屋根診断を行い、お客様一人ひとりの住まいに最適な補修・塗装プランをご提案しています。

外壁の補修費用、今すぐ把握しませんか?

「まずは、うちの修理にどれくらいの費用がかかるのか、目安だけでも知りたい」
そんな方は、わずか3分間のチャット入力で完了する無料見積もりシミュレーションをお試しください。
ご自宅の情報をいくつか入力するだけで、すぐに概算費用を把握できます。

たった3分で外壁・屋根塗装の相場が分かる!