
外壁や屋根の塗装工事は外で行うものです。
「天候が悪いと工事できないから、梅雨の季節はさすがにベストシーズンとは言えないんじゃない?」とお思いになった方、少なくないと思います。
確かに、雨の日のような湿度の高い日に塗装工事はできません。
しかし、梅雨は塗装業者の閑散期だからこそ、予約しやすく、お値段も抑えて工事ができることもあるというメリットがあるのです。
価格を抑えたいという方にとっては、梅雨時期は意外にも狙い目で、ベストシーズンと言えるのではないでしょうか。
このように、何を重視するのかでベストシーズンは変わっていきます。
この記事では、季節ごとのメリット、デメリットをご紹介するとともに、「外壁塗装はいつやればいいの?」という時期に関する疑問にもお答えしていきます。
塗装工事を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の必要性

まず本題に入る前に、なぜ外壁塗装をした方がいいのか?について簡単にご説明いたします。
外壁塗装はお家の見栄えを綺麗にすること以外にも、重要な機能があります。
それは、外壁の保護すること、資産価値を守ることです。
基本的に建物の外壁材は防水機能を持っていません。
雨水の侵入を防ぐ役目を果たしているのは外壁に施された塗料です。
塗料は雨風や紫外線などを受け年々劣化していき、防水機能も薄れていきます。
塗料の防水が切れ、雨水が建物内部に侵入してしまうと、内部の構造の劣化も進んでしまったり、湿気からカビやシロアリが発生したりしてしまいます。
そこで、ひどい劣化になる前に定期的に塗り替えを行い、外壁を保護してあげる必要があるのです。
また、お家であれば、外壁を塗装で守ってあげることで、住宅としての価値も守られます。
お家もまた大事な資産のうちの一つであり、長く快適に過ごすためにも、お家の定期的なメンテナンスは欠かせません。
塗装は、お家全体を守る盾であり、皆様の大切なお家、ご資産を守る盾でもあります。
価値の高い資産を残すためにも外壁塗装は必須なのです。
外壁塗装に適した季節は?

塗装工事は、できる日とできない日があります。
できない日の条件は以下の通りです。
理由としては、塗料がうまく乾燥できなくなったり、水気が混じって仕上がりが悪くなってしまったりすることが挙げられます。
逆に、この条件以外の日であれば、塗装工事はどの季節でも行うことができます。
季節ごとにメリット・デメリット(一長一短)がありますので、何を重視するかで塗装する時期を決めていくことをおすすめします。
以下、特徴や注意点について、春から順にご紹介していきます。
春のメリット・デメリット

春は、気温・湿度も安定し過ごしやすい季節になります。
そのため、この時期に塗装工事を行う方も少なくありません。
春のメリット・デメリットは以下の通りです。
春の特徴は、他の季節と比べ天候が安定しているということです。
気温も過ごしやすく、外で作業をする職人さんにとっても嬉しい季節です。
また、工事の際は塗料の飛散を防ぐために養生シートを窓に貼るため、基本的に自由に換気をすることができなくなってしまいます。
しかし、春は夏ほど蒸し暑くなる訳ではないため、特別換気をしなくても良い日が多いです。
そのため、工事の際の過ごしやすさも春のメリットとして挙げられます。
しかし、一方で塗装業者にとっての繁忙シーズンでもあります。
予約が埋まっているせいで、希望の日程で工事をすることができない場合がある点がデメリットとして挙げられます。
また、突発的な強風、雷雨が起きてしまったり、春雨前線の影響で雨が降ってしまったりなどで工事が長引いてしまう場合もあります。
ただ、他の季節と比べ、塗装をすることができない日が長引くことはありません。
工事の日程や工事の際の安定さを重視している方にとっては、春はベストシーズンと言えるでしょう。
春に塗装をしたい方へ 〜注意点について〜
春に塗装をする場合は、早めに動く必要があります。
人気シーズンであるため、春になってから塗装業者を探しても予約で埋まってしまっていて、すぐに工事をすることができない場合があるからです。
冬の間に業者探しや工事の計画立てを行うことをおすすめします。
梅雨のメリット・デメリット

梅雨は雨が多く降り、湿気も高くなる季節です。
一見すると、湿度が高い日や雨天時は工事ができない塗装工事と相性が悪いように思えます。
しかし、冒頭でもお伝えしたように、デメリットもありますがメリットもあります。
梅雨の季節のメリット・デメリットは以下の通りです。
梅雨の季節の特徴としては、工事を依頼する人が少ないため、予約が取りやすいこと、業者によっては割引やキャンペーンを行う場合があることです。
また、春と同じく、極端に暑かったり寒かったりする訳ではないため、作業する職人さんにとっても悪くない季節です。
その一方で、雨が降りやすい季節であるために工期が長引くことがデメリットとして挙げられます。
とはいえ、雨天で作業を中止にしなければならないのは塗装時のみであり、足場の組み立て、洗浄作業、養生といった作業は雨が降っていても行うことができます。
梅雨は雨でどうしても工期が伸びてしまいがちですが、乾燥具合や天気を気にして工事をする業者であれば、工事の質に差はありません。
業者のキャンペーンを受けて費用を抑えて施工したい、工期が延びても大丈夫、という方は梅雨時期もベストシーズンとして考えられるでしょう。
梅雨に塗装をしたい方へ 〜注意点について〜
梅雨に塗装をする場合は、工事をしてくれる業者と話し合い、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
塗装工事は大体7日〜10日ほどかかりますが、梅雨の時期は天候や湿度によってはそれ以上かかることもあります。
また、工事の際は窓や室外機が養生されていて、換気ができない、エアコンが付けられないといった時期があります。
工期が長引くことも多い分、養生部分も使用できない日が続くかもしれません。
窓を開けたり、エアコンを使用したりする時に備え、作業のしない日の養生部分はどうするのかなど、事前に業者に相談しておくと良いでしょう。
夏のメリット・デメリット

夏は気温が高くなり、塗料の乾燥も早くなる季節です。
春や秋ほど人気のあるシーズンではないため、予約も比較的取りやすく、塗装作業は順調に進むことも多いです。
夏の季節のメリット・デメリットは以下の通りです。
夏の季節の特徴としては、日が照る時間も長いため、決められた作業時間を目一杯使うことができること、塗料が乾燥しやすく硬化しやすいということが挙げられます。
その一方で、夕立などの急な天候の悪化で少しだけスケジュールがずれてしまうこともあります。
夏の1番のデメリットは暑さです。
室内を涼しくするために、窓の換気をしたり冷房を付けたりしたい所ですが、窓や室外機を養生して保護する関係で、それらができない場合があります。
また、夏は窓の換気を行うお家も多く、塗料の匂いがご近所さんに届いてしまうこともあります。
また、暑さは作業をする職人さんにとっても大変です。
これらの暑さ対策をきちんと行っている業者を選ぶことができれば、作業効率が良く安定した工事をすることができます。
繁忙期シーズンではないため、比較的予約も取りやすいです。
スムーズに工事をしたい方にとって、夏はベストシーズンといえるでしょう。
夏に塗装をしたい方へ 〜注意点〜
暑い夏はエアコンが必需品です。
工事中でも快適に過ごすことができるよう、エアコンの使用や窓の換気のために、工夫して養生をしてくれる塗装業者もいます。
また、暑い空気を外に逃すため、換気をすることも多い季節です。
塗料の匂いがご近所さんのお家に届いて、ご迷惑になってしまうかもしれない…とご心配の方もいらっしゃるかと思います。
塗料の匂いに関しては、事前にご近所さんに挨拶して塗装工事をする旨を伝えておけば、トラブルも防ぐことができます。
エアコンの使用や窓の換気、近所挨拶や工事内容に関して、工事前に業者に必ず確認を取るようにしておきましょう。
秋のメリット・デメリット

秋は春と同様に過ごしやすい気候で、人気シーズンです。
秋は空気が乾燥していて塗料が乾きやすい上、気温もほどよいため、工事で窓を開けられなくなったとしても差し支えがない季節です。
秋のメリット・デメリットは以下の通りです。
秋の特徴としては、春と同様に気候の過ごしやすさ、安定さがあることです。
気候がちょうど良く、作業をする職人さんにとっても負担が少ない季節でもあります。
一方で、台風が発生しやすい季節でもあります。
台風の際は数日工事ができないため、どうしても工期が長引いてしまうこともあります。
とはいえ、台風があまり来ない地域にお住まいであれば、デメリットもあまり無いと言えるでしょう。
工事の際の過ごしやすさ、スケジュール通りの工事を重視する方は、秋がベストシーズンです。
秋に塗装をしたい方へ 〜注意点について〜
秋は春と同様、塗装業者の繁忙期です。
そのため、予約が埋まっていて希望通りに工事ができない場合があります。
秋に工事をしたい場合には、早めの準備が必要です。
夏の間に業者探しや工事の計画立てを行うようにしましょう。
冬のメリット・デメリット

冬は気温が低くなり、日照時間も短くなります。
雪が降らず、「気温5℃以上」であれば冬でも塗装は可能です。
冬のメリット・デメリットは以下の通りです。
冬は比較的雨が少ないため、急に天候が崩れて工事が中止になり、工期が延びてしまうという事態が少ない季節です。
空気も乾燥しており、塗料も乾きやすいです。
また、窓の開け閉めも夏と違って少なくなるため、工事中は比較的過ごしやすいのも特徴的です。
一方で、雪が降ったり気温が5℃を下回ったりする場合には、塗装工事ができなくなる点がデメリットとして挙げられます。
雪で表面が濡れたり、気温が低すぎたりすると、塗料の乾燥がうまくいかなくなって、壁に密着できなくなってしまいます。
冬は内外の気温差で結露が発生しやすい季節でもあります。
結露が冷やされることで霜になります。
結露や霜の乾燥のために、他の季節よりも遅めに作業を開始します。
日没が早い冬場は早めに撤収をするため、作業時間も短めになります。
なぜすぐに撤収するのかというと、日没であたりが暗くなってしまうと、うまく塗料を塗れなくなって工事品質も落ちてしまうためです。
冬に塗装を行う際は、工期がその他の季節よりも長くなることをおさえておきましょう。
冬があまり窓の開け閉めをしない季節にもなりますので、塗料の匂いでご近所さんが困ってしまうことも少ない季節です。
ご近所さんの負担にならないようにしたい、スケジュール通りに工事をしたい、工期は長くても大丈夫という方は冬がベストシーズンです。
冬に塗装をしたいあなたへ 〜注意点〜
冬はあまり換気をしなくてもよい季節ですが、お家を暖かくするために暖房を使用している方もいらっしゃるかと思います。
室外機も養生をして保護をするため、夏の冷房と同様に暖房が使えなくなる時期があります。
事前に業者に暖房を使えるか確認をしておきましょう。
代わりに、ホットカーペットや電気ストーブで暖を取るのも一つの手です。
外壁塗装に適した時期はいつ?どのタイミング?

以上、外壁塗装の季節ごとのメリット・デメリットについてご紹介していきました。
「外壁塗装をそろそろやった方がいい目安みたいなものって何?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。
この章では、外壁塗装を検討した方が良い時期の目安についてご紹介していきます。
塗料のグレード
塗料の種類を「グレード」といい、塗料の効果を期待できる年数を「耐久年数」といいます。
塗料のグレードによって、耐久年数に違いがあります。
前回の塗装で使用した塗料の耐久年数と、塗装工事から何年経ったのか?を比べることが、塗り替えを検討の際の目安になります。
アクリル塗料 3〜5年
ウレタン塗料 5〜7年
シリコン塗料 7〜10年
フッ素塗料 13〜15年
無機ハイブリッド 15〜25年
使用した塗料の耐久年数の範囲内で、劣化症状(後述)が無いのであれば、急いで塗装を検討しなくても大丈夫です。
しかし、耐久年数はあくまでも目安です。
立地条件や施工業者の不備によっては塗装の劣化が早まってしまうこともあります。
想定よりも早く塗装の検討をした方が良い場合がありますので、定期的に外壁をチェックするようにしましょう。
塗装をしたことが無いお家の場合は、「家を建ててから10年」が塗装検討のおおよその目安と言われています。
しかし、新築を建てる際に使用した塗料や周辺の立地条件によって、検討時期は変わります。
下記の劣化症状も参考に、検討を考えていきましょう。
外壁の劣化
外壁に現れた劣化症状も塗装時期を判断する目安になります。
劣化の種類によって緊急度に違いがあります。
すぐに対応しなくても良いケースもありますが、そのままにしておいても劣化症状が直る訳ではない点に注意です。
以下、劣化症状についてご紹介していきます。
チョーキング

外壁に触ると、白い粉(あるいは、外壁の色の粉)が付くことがあります。
これは、チョーキング現象といい、雨風や紫外線で塗膜が劣化し、顔料がチョークのように粉状になって剥がれる現象です。
チョーキングが発生している外壁は、塗料が持つ防水機能が切れ始めている段階です。
特に、手に粉が多く付いてしまった場合には、塗料の劣化がかなり進行しているサインです。
チョーキングが発生している場合には、そろそろ塗装時期です。
塗装業者に詳しく点検してもらいましょう。
チョーキングについては、こちらの記事を参照ください。
ひび割れ

ひび割れから雨水が侵入し、建物内部の劣化を招いてしまうこともあります。
ひび割れは大きさによって緊急度が異なります。
幅0.3mm未満のひび割れであるヘアークラックであれば、かなり小さなひび割れなので、緊急性は低いです。
ひび割れがごく小さいうちは問題ありませんが、大きくなっていないかを定期的にチェックし、経過を見ていきましょう。
しかし、1mmを超えるような幅のひび割れは、ひび割れから雨水が建物内部に到達し、劣化を招いている可能性が考えられます。
雨漏りの発生にもつながりかねないため、業者に早めに点検を依頼し、補修工事や塗装工事を検討しましょう。
ヘアークラックをDIYで直す方法については、こちらの記事を参照ください。
カビ・コケ

汚れがあって日当たりが悪い場所、風通しが悪く湿気がある場所は、カビやコケが発生しやすいです。
カビ・コケの発生には塗料の機能の低下も関係しています。
カビ・コケが外壁に付着していると、見栄えも悪くなりますし、カビはアレルギーの原因にもなります。
お家の外観を綺麗し、アレルギーの原因を断つためにも、洗浄や塗装の検討を始めた方がいいでしょう。
剥がれ

塗装がめくれ始めていたり、剥がれ始めていたりすると、雨水などが外壁に直接当たるようになり、建物自体の劣化を進めてしまいます。
剥がれ・めくれが発生している外壁も塗装を検討する時期です。
ふくれ

外壁のぷっくりとしたふくらみは、塗膜のふくれです。
ふくれは、剥がれなどから雨水が塗膜と外壁材にたまることで発生します。
塗装の劣化を示すサインでもありますので、早めに業者に点検を依頼し、工事の検討を行いましょう。
失敗しない外壁塗装のポイント

外壁塗装を行う上で、何を重視するか、お家がどんな状態かによって、外壁塗装をする季節や時期は各々違ってくるとご説明しました。
その中で、どんなお客様にもお伝えできる重要なポイントがあります。
それは、業者選びです。
季節や天候に合わせた適切なスケジュールが組んで、状況に適した工事を行うことができる業者であれば、どの季節でも満足のいく塗装工事ができるはずです。
良い業者を見極める目安は以下の通りです。
施工実績が豊富であれば、それだけ多くの経験があるということです。
価格に関しては、複数社から見積もりを取る「相見積もり」を行うことで、おおよその適正価格を知ることができます。
価格にはそれぞれ意味があるため、不明点があれば随時質問をしていきましょう。
質問に真摯に受け答えをしてくれるかどうかで、信用に足る業者か見極めやすくなります。
また、工事中、工事後の対応も重要です。
工事の進捗を教えてくれたり、アフターサービスも充実したりしている業者だと、不安も少なくなります。
どんな保証がついているか把握した上で、保証書は不測の事態に備え保管しておきましょう。
まとめ
外壁塗装に適した季節・時期や注意点、業者の選び方について解説しました。
以下、今回の記事のまとめになります。
春
工事の日程や工事の際の安定さを重視している方におすすめ!
梅雨
業者のキャンペーンを受けて安く施工したい、工期が延びても大丈夫という方におすすめ!
夏
予約を取りやすく、スムーズに工事をしたい方におすすめ!
秋
工事の際の過ごしやすさ、スケジュール通りに工事を進めたい方におすすめ!
冬
ご近所さんに配慮したい、スケジュール通りに工事をしたい、工期は長くても大丈夫という方におすすめ!
- 検討時期の目安は使用した塗料の耐久年数、お家の劣化症状で判断
- 失敗しない外壁塗装の1番のポイントは業者選び
外壁塗装はオールシーズン行うことができます。
居住性を重視するか、工事をスムーズに行うことを重視するかなど、ご自身やご家族が重視していることに応じて工事を行う時期を検討すると良いでしょう。
塗装を検討する時期に関しては、塗料の耐久年数と劣化症状で判断していきましょう。
失敗しない外壁塗装の1番のポイントは業者選びです。
施工実績があり、きちんと説明をしてくれる信頼できる業者に工事を依頼しましょう。
数年に一度の大きな工事ですので、しっかりと情報を集め、最適の時期や安心できる業者を選んでいくことをおすすめいたします。
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