
お家に生じたひび割れは、一度見つけてしまうとずっと気になってしまいますよね。
「これって危険なのかな?」「このままでもいいの?」と不安にお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、わざわざ業者に頼むのもお金がかかってしまうから、直せるものなら自力でなんとかしてみたいという方もいらっしゃるかと思います。
ひび割れは浅いものであればDIYで綺麗にすることが可能です。
この記事では、ひび割れの原因や修復方法、注意点に関する情報をご紹介いたします。
ぜひ参考にされてください。
ひび割れの種類と原因をチェックしよう

ひび割れは「クラック」ともいい、深さや発生場所によって様々な種類のものがあります。
ひび割れを直す前に、お家のひび割れがどの種類に該当するのかを把握しておくことが重要です。
理由としては、ひび割れの種類によってDIYで充分に直せるものなのか、業者に頼んだ方がいいものなのかが変わってくるからです。
まずは自己点検を行い、DIYできるか、改めて業者に調査や修理を依頼した方がいいかどうか確認しましょう。
持っておくと便利な道具

目視だけでは判断が難しい所がありますので、クラックスケールという定規を購入し、実際に幅を確かめてみることをおすすめします。
クラックスケールは500円前後で、ホームセンターやネット通販で購入することが可能です。
ひび割れはそこまで珍しい症例ではありません。
「このひび割れは問題ないのか?」という判断のためにも、1つお家に置いておくと安心です。
以下、ひび割れの種類や原因について順に解説していきます。
お家のひび割れがどれに該当するか、クラックスケールなどを用いてご確認ください。
ヘアークラック
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幅0.3mm未満のひび割れを「ヘアークラック」といいます。
「ヘアー」とは「hair」、つまり髪の毛ほどの細さのひび割れということです。
原因としては、塗膜の経年劣化が考えられます。
経年劣化とは、雨や風、温度の変化を受け、時が経つにつれ品質・性能が低下することを言います。
外壁は、常に雨風や紫外線を浴びています。
乾燥などで起こる収縮や膨張で、塗膜にひび割れが生じてしまうのです。
ヘアークラックは、ごく小さなひび割れで、修復の緊急性はありません。
しかし、そのまま何もしないでおくと、ひび割れが広がっていきます。定期的に経過を観察しましょう。
ヘアークラックはDIYで修復することも可能なひび割れです。
自分でできるDIYの補修方法で詳しく解説いたします。
乾燥クラック

モルタルやコンクリートによく見られる細く狭いひび割れです。
乾燥して水分が蒸発し、外壁が縮小した際に起こります。
原因としては、仕上げ塗装の塗料よりも、モルタルの乾燥が遅かった場合などが挙げられます。
乾燥クラックは壁材の縮小と一緒に、塗膜が縮小することで発生する表面のひび割れです。
そのため、完全に乾燥し切るとそれ以上ひび割れが広がることはありません。
構造クラック

構造クラックは建物の内部までひびが生じているひび割れです。
ヘアークラックが塗膜に起きるひび割れだとしたら、構造クラックはそれ以上に深く、4mm以上の幅のひび割れを指します。
原因としては、地震などによって地盤の歪みが生じ、建物が傾いたり沈んだりすること(不同沈下)などが挙げられます。
構造クラックが発生していると、深いひびから雨水が侵入し、内部の構造にダメージを与えます。
建物の強度にも強い影響が出ている状態のため、早急な対応が必要です。
建物内部への影響も懸念されるため、自力でなんとかしようとせず、専門知識のある業者へ点検を依頼しましょう。
縁切れクラック

塗料の乾燥の差で発生してしまうひび割れです。
原因としては、塗装工事を止むを得ない事情で中断したり、部分的に塗り直したりして乾燥時間に差が生じてしまった場合などが挙げられます。
一直線となってひび割れることが多くあります。
開口クラック

扉や窓枠から、斜めに亀裂が入るようなひび割れです。
原因としては、扉や窓の開閉によって揺れや力がかかり、開口端から亀裂が入ってしまう場合が挙げられます。
特に、窓枠は雨水が通りやすい部分になりますので、ひび割れから雨水が侵入し、内部の劣化を招いてしまいかねません。
早急な対応が必要になるひび割れであるため、業者に点検をお願いしましょう。
ひび割れのその他の原因
塗装から短い期間ですぐに発生している場合には、業者の施行不良も原因として考えられます。
施行不良の例は以下の通りです。
保証書をきちんと受け取っている場合には、保証をもとに再工事を依頼したいところですが、ひび割れの保証は対象外にしている業者が多いです。
しかし、地震などが起こった訳でもなく、1年も経たず生じたひび割れは施工業者の瑕疵(かし)である可能性があります。
そのため、状況や交渉次第で保証してくれるケースもあります。
DIYで補修できるひび割れ
ひび割れにも様々な種類や原因があることをご紹介しました。
DIYが可能なひび割れは以下の通りです。
幅0.3mm未満のヘアークラックのような浅いひび割れ
塗膜の表面に生じたような小さなひび割れであれば、DIYで充分補修できます。
一方で、0.3mm以上の幅があるものや深さのあるひび割れは、DIYでは充分に補修することができないため、業者に点検などを依頼することをおすすめいたします。
ひび割れが引き起こすリスク

小さなひび割れであれば緊急性の無い場合がありますが、ずっと放置し続けるのも危険です。
ひび割れは閉じることはなく、劣化が進むにつれ広がる恐れがあるからです。
ひび割れが大きくなってしまうと、建物の内部に雨水が侵入してしまいます。
ひび割れから雨水が侵入することで起こるトラブルやリスクは以下のものがあります。
雨漏り
カビ・シロアリの発生
建物内部の劣化
雨水の侵入によって、建物を支える内部の構造体の木材や鉄部が腐食したり、雨漏りが発生したりして、建物全体の強度が低下してしまいます。

また、雨水の湿気からカビやシロアリが発生してしまうことがあります。
カビは湿気などの条件が揃うと、たくさん増殖します。
カビはアレルギーの原因となるため、健康の面においても悪影響があります。
また、シロアリも湿った木材を好みます。シロアリが建物の構造の内部を食べてしまうことで、建物内部の木材部分は耐久性が下がってしまうのです。
耐久性が低下すると、地震などの際に倒壊のリスクが高まります。
被害を受けた構造部分や柱は、取り替えのリフォーム費用が別にかかってしまいます。
劣化の進行から更なる被害を受けてしまわないよう、ひび割れを早期に補修しておくなど、早めの対策が必要です。
自分でできるDIYの補修方法
0.3mm程度の小さなひび割れであれば、DIYでも補修が可能です。
隙間を埋めてあげることで、見た目を綺麗にできるほか、内部に雨水が侵入しないようにお家を防水し、保護することもできます。
自力でできる補修の工法としては、以下の3つが挙げられます。
セメント粉(チョーク系)
セメント粉(スプレー系)
シーリング(コーキング)
これらの工法の手順や特徴について、順にご説明していきます。
※補修の工程は使用する商品によって差異があります。
以下ご紹介する工程は、あくまでも目安としてご覧ください。
セメント粉(チョーク系)
セメントチョークの補修材を、ひび割れに直接刷り込んでいきます。
チョーク式の補修作業の際のポイントとしては、直角に強い力で刷り込んでいくことです。
体力や時間が要る作業になりますが、補修材を比較的無駄なく使用できる点が特徴です。
大まかな工程は以下の通りです。
- ひび割れの内部やその周りの汚れやゴミを除去し、綺麗にする
- 水でひび割れ周りを湿らせる(水湿し)
- 補修材をひび割れに刷り込んでいく
- ②と③を10㎝ごとに繰り返す
- 周囲にこぼれたセメントをひび割れに押し込む
- 15〜30分乾燥させる
- はみ出した部分をブラシなどで綺麗にする
- 完了
工事前に説明書や注意書をよく読んでから補修材を使用しましょう。
セメント粉(スプレー系)
セメント粉のスプレーをひび割れに吹き付けます。
スプレーでひび割れに吹き付けるだけなので、簡単に補修ができます。
ただし、どうしても余分に吹き付けてしまうため、無駄になってしまう部分ができてしまいます。
マスキングテープでひび割れの周囲を養生しておくと、スプレーの飛散を防ぐことができます。
大まかな工程は以下の通りです。
- ひび割れの内部やその周りの汚れやゴミを除去し、綺麗にする
- 水でひび割れ周りを湿らせる(水湿し)
- マスキングテープでひび割れ周りを養生する
- スプレーを吹きかける
- スポンジで表面を整える
- マスキングテープを剥がす
- 乾燥させる
- 完了
こちらも説明書や注意書をよく読んでから補修材を使用しましょう。
シーリング(コーキング)

ひび割れはシーリング材を用いて補修をすることも可能です。
水気があると接着しにくくなるため、シーリングでひび割れの補修をする際は晴れの日に行うようにしましょう。
大まかな工程は以下の通りです。
- ひび割れの内部やその周りの汚れやゴミを除去し、綺麗にする
- マスキングテープでひび割れの周りを養生する
- プライマー(下地材)を塗り込み乾燥させる
- シーリング材をひび割れに沿って塗布し、埋めていく
- ヘラでシーリング材を押し込んで、表面を均していく
- マスキングテープを剥がす
- 乾燥させる
- 完了
プライマーの乾燥時間、シーリングをするタイミング、プライマーとシーリング材の相性の良い組み合わせなどは、商品によって異なります。
説明書や注意書を読んだ上で購入や使用をするようにしましょう。
シーリング充填の際のコツとしては、ひび割れの奥までしっかり閉じることができるよう、少し多めの量を充填するようすることが挙げられます。
盛り上がった分のシーリングは、後で均していきます。
乾燥の際は、定着するまで触らないようにしましょう。
また、シーリングには様々な種類がありますが、シリコン系シーリングには注意が必要です。
シリコン系シーリングの用途は塗料を塗らない台所や浴槽などの水回りです。
塗料を弾く性質を持っているため、外壁塗装をする際は除去しなければならなくなります。
除去には別途費用がかかる場合もありますので、シリコン系シーリングは外壁には使用しないでください。
ただし、変成シリコンのシーリング剤であれば問題はありません。
名前は似ていますが、性質は異なります。
シーリングを選ぶ際は、変性シリコン系やウレタン系を選ぶようにしましょう。
ひび割れ補修の注意点

ひび割れ補修の際は、まずひび割れがどれくらいの幅があるかをチェックしましょう。
幅が3mm未満であれば、DIYでも補修できますが、それ以上のひび割れは業者に任せた方が良いでしょう。
1mmを超える幅の大きなひび割れが発生している外壁は、内部の劣化も考えられます。より専門的な点検や処置が必要です。
ひび割れのDIY補修は、あくまで雨水の侵入を防ぐ応急処置だと捉えておきましょう。
2階など高い場所に発生したひび割れを補修するのはおすすめできません。
落下の危険性があり、命に関わる事故に繋がりかねませんので、高所の作業はしないでください。
また、慣れない作業のために補修材の埋め込みがうまくいかず、すぐに補修をしなければならなくなる場合もあります。
そうなると、また手間や費用をかけて補修をしなければならなくなり、結果として、安く済ませることができなくなる場合があります。
DIYは金額は安く済みますが、手間や失敗のリスクがあることを押さえておきましょう。
失敗の際や別の補修で業者に工事を依頼する際に備え、使用した補修材のメモを取っておくことをおすすめします。
ひび割れには火災保険が適用されるかも

ひび割れは経年劣化が主な原因です。
しかし、中には台風で飛んできた物が外壁に当たってひび割れが生じた、というケースもあります。
こうした自然災害によって生じたひび割れには火災保険が適用されることがあります。
火災保険は火災のみならず、雷や台風などの損傷にも適用される保険だからです。
火災保険の申請期限は、自然災害の影響でひび割れが生じてから3年以内です。
ひび割れが経年劣化と判断された場合には火災保険が下りることはありませんが、心当たりのある方は火災保険の申請も検討しましょう。
まとめ
ひび割れの種類や原因、DIYの方法や注意点をご紹介いたしました。
以下、記事のまとめになります。
- ひび割れは幅や発生の仕方によって様々な種類がある。
- 原因として主に挙げられるのは、経年劣化や地震である。
- 0.3mm未満のひび割れはDIYで補修が可能。
- DIYで補修する方法としては以下が挙げられる。
- DIY補修の際の注意点としては
ひび割れの幅を測ってDIYをするか業者に頼むか判断すること
高所の作業は危険であるため自力で補修しようとしてはいけないこと
DIYは費用が安く済む代わりに再発や失敗のリスクがあること
- 自然災害で発生したひび割れは火災保険が適用される可能性がある。
0.3mm程度の幅が小さなヘアークラックのようなひび割れは、今すぐ対処が必要なほど深刻な劣化症状ではありません。
気になるようでしたらDIYで補修することも可能です。
補修作業の際は天候や乾燥時間、道具の適切な使用方法に気をつけて作業を行いましょう。
本当に大丈夫なひび割れかどうか確かめるためには、業者に点検を依頼するとより確実です。
経年劣化している箇所が他にもあるかもしれないため、一度業者に点検を依頼してお家の状態を把握しておくことをおすすめします。
スターペイントでは、ひび割れの診断のほか、相場やお色選びなど、外壁・屋根・お家に関するご相談、診断、見積もりを無料で承っております。
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ご自宅の劣化症状や塗装、DIY商品についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせやご来店ください。
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